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建設業の魅力や最新技術など紹介 宮崎大学で担い手講座

      

 宮崎県宮崎土木事務所は11月24日、宮崎大学工学部工学科土木環境工学プログラムの学生を対象とした担い手講座を開講した。宮崎地区建設業協会と一般社団法人宮崎県測量設計業協会、株式会社コマツレンタル宮崎が共催し、発注者・受注者のそれぞれの立場から仕事の内容を説明したほか、現場で活用されている最新技術も紹介した。

 出前講座は、土木を学ぶ学生を対象に、建設業への理解と興味を深めてもらい、最新の技術や県内企業の魅力を知ってもらおうと開催しているもの。発注者の視点から講話を行った宮崎土木事務所の瀬戸山洋平氏は、地域のニーズを踏まえた計画策定や予算の確保、調査・測量・設計、工事、維持管理といった社会資本整備の流れを説明した。

 瀬戸山氏は、測量や設計、建設工事を専門会社が行うとしても、「経済性や安全性等を踏まえたうえで、構造や工法等に係る最終的な判断は公務員に委ねられる」として、大学で学習する土質や構造力学といった専門的な技術力が求められることを強調した。

 宮崎県測量設計業協会の野尻周男理事は、社会資本整備に係る全てのプロセスに建設コンサルタントが関わり、各種基準や予算、現場条件、要望等に応じて、オーダーメイドで成果物をまとめていることを説明。就職に際しては、大学での4年間で自らの得意部門を見つけ、これらを得意とする企業を見つけ出すことが重要とした。

 宮崎地区建設業協会の川浦幸治理事は、建設ビジネスの仕組みやゼネコンと専門工事会社、技術者と技能者の違いのほか、大手ゼネコンと地方ゼネコンでは仕事の規模が異なるが、内容的に大差はないことなどを解説。施工管理を行う上で、現場に携わる作業員等をまとめるためのコミュニケーション能力が求められることも説明した。

 コマツレンタル宮崎の迫田純也氏は、建設現場の生産性向上を目的に取り組んでいるi-Constructionについて説明。最新のドローンによる3次元測量や3次元設計データの作成、手間を削減し、高精度かつ安全に施工できるICT建機のメリットなどを紹介し、建機の完全自動・自律化を目指していることを紹介した。

 説明後には、公務員・建設コンサルタント・建設業・メーカーの各班に分かれて、講師らと学生によるグループ討議を実施。給与や休暇といった処遇面のほか、仕事のやりがい、優遇される資格等といった学生からの質問に丁寧に応じた。