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ICT施工講習会、実践的な活用方法学ぶ 九地整ら

      

▲写真は講習会の模様

 国土交通省九州地方整備局と宮崎県、一般社団法人日本建設機械施工協会九州支部が共催する「i-Construction(ICT施工)技術講習会」が、10月31日に宮崎市内で開かれた。講習会には、県内の建設会社や自治体の技術系職員ら100人程度が参加し、実践的な3次元データの活用方法などを熱心に学んだ。

 建設現場の生産性向上を図るi-Constructionの一環として、起工測量や3次元データの作成、施工、維持管理、監督・検査の一連のステップにICT技術を活用するICT施工のほか、全体最適の導入(コンクリート工の規格の標準化等)、施工時期の平準化等の取り組みが国や各都道府県を中心に進められている。

 技術講習会は、i-Constructionの更なる普及促進に向けて、ICT活用工事に対応できる地域の技術者育成を目的に開催したもの。これまでは、基礎編と実践編に分けて開催していたが、九州地方整備局が構築したオンラインのICT施工eラーニングを基礎編と位置付け、今回の技術講習会は実践編として開催した。

 講習会では始めに、九州地方整備局企画部施工企画課の長友久樹氏がICT施工の普及促進に向けた取り組みを紹介。直轄工事に於けるICT活用工事の実施状況や適用工事に於ける作業時間短縮等のメリット、対象工種の拡大について説明したほか、スカイバーチャルツアーやメタバースの活用といった九地整の取り組みも紹介した。

 宮崎県県土整備部技術企画課の緒方誠氏は、県発注工事に於けるICT活用工事の実績が近年は60件程度で推移していることや、国の動向を踏まえて対象工事を拡大していることを説明。宮崎県優良工事の受賞工事を例に、厳しい現場条件下でICTを活用し、工期の短縮や安全性の向上を図ったことが評価されたことを説明した。

 実践編に関する講習では、日本建設機械施工協会九州支部の会員企業が講師を務め、電子小黒板や遠隔臨場、3次元データの可視化(AR)、モバイル点群計測に於ける活用技術を紹介。3次元計測(レーザースキャナー)の種類や計測精度、ICT建機の精度管理や効果的な活用方法、小規模工事等に於けるICT技術の活用や3次元データの効果的な活用、施工計画の立案及び実地検査について解説した。