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道路整備の現状や最新技術など学ぶ 道路技術講習会

      

▲写真は挨拶する河野会長、講習会の模様

 宮崎県舗装協会(河野孝夫会長)は、道路事業に携わる技術者を対象とした2023年度の「道路技術講習会」を11月24日に宮崎市内で開催した。講習会には、県内各地の建設会社や自治体の技術系職員ら約100人が参加。近年の道路行政の動向や舗装の施工管理及び技術、地盤改良技術などについて熱心に学んだ。

 道路技術講習会は、道路舗装に求められる諸課題に的確に対応するため、舗装を取り巻く動向や環境に配慮した舗装等の事例を交えながら、道路技術者の技術・知識の研鑽を図るため、毎年開催しているもの。

 冒頭の挨拶で河野会長は、宮崎県の道路関係予算が減少傾向にあることに加え、防災・減災対策やインフラの老朽化対策、建設業の2024年問題、働き方改革等を例に、業界を取り巻く環境が厳しくなっていることを指摘。こうした課題解決の一つの手法として、「今回の講習会を技術力の向上に繋げてもらいたい」と述べた。

 来賓として招かれた宮崎県県土整備部の原口耕治部長(代読=桑畑悠仁次長)は、昨今の台風襲来に伴う被害の現状を報告。被災箇所の早期復旧をはじめ、道路整備や橋梁等の老朽化対策など、県民の安全・安心な暮らしの確保や地域経済の活性化のため、引き続き、社会資本整備を計画的に進めていく考えを示した。

 講習会の講師を務めた宮崎県県土整備部道路建設課の山浦弘志課長は、「宮崎県における最近の道路に関する知識」をテーマに講演。道路関係予算の推移や国土強靭化に向けた取り組みについて触れ、自動車への依存度が高い宮崎県では、現状として道路の整備が不十分であると述べ、財源確保の必要性を訴えた。

 また、道づくり基本方針に基づき、既に開通または今後開通予定である9つの路線の具体的な整備事例を説明し、本県の実情や将来像を踏まえた取り組みを進めていくことを報告した。

 「舗装技術の今後の展開」をテーマに講演を行った国土研究開発法人土木研究所の久保和幸理事は、舗装の概念や役割、舗装を施工する際の機能指標のほか、走行安全性を高める「排水性舗装」の性能等について解説。独自の視点やこれまでの研究を例に説明を行い、将来的な舗装技術の方向性について考えを示した。

 福岡大学工学部社会デザイン工学科の佐藤研一教授は、「舗装工に貢献する地盤改良技術」をテーマに講演。セメント系固化材の特徴や原理、固化材によって改良された固化処理土の特性、九州地方における地盤改良技術等について説明を行ったほか、舗装工における地盤改良施工事例について解説した。