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移転先候補地などで意見交わす 高千穂中学校移転建替

 高千穂町は、経年劣化が進み、防災の面から移転の必要性がある町立高千穂中学校の移転及び建て替えに向けて、地域の代表や学校関係者らで組織する「高千穂中学校移転新築検討委員会」を設置し、10月4日に初会合、23日に第2回会合をそれぞれ開催した。会合では、移転先の候補地や今後のスケジュールについて委員が意見を交わした。

 現在の高千穂中学校(大字三田井)の施設は、1963年建築の特別教室棟や77~78年建築の普通教室棟(南校舎・中校舎)、78年建築の管理特別教室棟、76建築の屋内運動場(S+RC造2階968㎡)などで構成。延床面積の合計は普通教室棟が1280㎡、特別教室棟が1848㎡、屋内運動場が968㎡となっている。

 このうち1981年以前の建物を対象に実施した耐震診断では、いずれも国が求める耐震強度の数値を満たし、耐震補強工事は不要となっているが、経年に伴う建物や設備の老朽化が著しく、教育内容の変化・充実への対応が困難な状況にある。さらに、学校敷地が急傾斜地警戒区域内にあり、早期の移転及び建て替えが必要とされている。

 こうした施設の現状や将来の生徒数の推計を踏まえ、町は総合的・計画的に移転新築に関する検討を進めるため、今年10月に公民館連絡協議会の代表や町議会議員、学校及びPTA関係者らで組織する検討委員会を設置した。検討委員会では、建設用地の選定や基本計画に関する調査・研究等を行い、その結果を町長に報告する。

 4日に開かれた初会合では、甲斐宗之町長が挨拶し、これまでに県立高千穂高等学校との併設も検討したが、現実問題として町立と県立の違いなどもあり、結果が出なかったこと、県に対して町単独建設を報告したことを説明。早期に計画を進めるため、町が抽出した移転候補地5箇所について、意見を出してもらうよう呼び掛けた。

 町が示した候補地は、①高千穂温泉跡地(敷地面積約2万5000㎡)②高千穂小学校近隣地(最大約2万4000㎡)③総合公園内(約7000㎡)④折原グラウンド(約3万7000㎡)⑤上野小・中学校校舎の活用(約1万7000㎡)―の5箇所。

①は既存施設の撤去、②と④は地質調査、③と⑤は校舎配置の検討等がそれぞれ必要となる。また、②と⑤は農地転用の手続きが必要となり、さらに②は埋蔵文化財の調査が必要となる。現時点の試算による造成期間は約1・5年~約6年、同じく造成に係る概算費用は約5千万円~約5・5億円で、候補地によって大きな差がある。

 23日の第2回会合では、各候補地の立地環境や造成に係るコスト及び期間、通学環境、各種手続きや調査の必要性、その他検討が必要な事項を示した上で、それぞれの候補地について評価を行ってもらうよう、委員に求めた。評価結果は第3回会合で提示する。

 委員会では今後、11月下旬に開く第3回会合で移転先候補地の選定を行うとともに、基本計画案の概要や建設スケジュール案を示す方針。24年1月の第4回会合で基本計画案の説明と検討、3月上旬の第5回会合で基本計画案の検討を行い、3月下旬に基本計画を町に報告する予定でいる。会議資料はホームページで確認できる。

移転先候補地の一覧