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高校生に建設業の魅力発信、出前講座と見学会 宮崎建協

      

▲写真は出前講座、現場見学会の模様

 一般社団法人宮崎県建設業協会は10月23日、県立都城工業高等学校の生徒を対象とした出前講座と現場見学会を開催した。建設システム科の1年生を対象に、建設業が果たす役割や魅力・やりがいを伝える講義を行ったほか、都城市内で施工中の新宮崎県陸上競技場建設工事の現場を訪ね、具体的な工事の進め方などを学んだ。

 宮崎県建設業協会では、建設産業の健全な発展や担い手の確保・育成、業界のイメージアップを図ることなどを目的に、若年者入職促進や人材育成に係る各種事業を展開。県内工業及び農業高校の建設系学科に通う生徒を対象とした出前講座や現場見学会のほか、就業体験(実施主体は各地区協会)に積極的に取り組んでいる。

 出前講座では、福留隼人氏(丸昭建設株式会社)が「作るの未来を考える」をテーマに講義を実施。自身の経験も交えながら、将来の進路として建設会社や公務員、進学を選択した場合のメリット・デメリットを説明するとともに、いずれの場合も国語力や数学力、コミュニケーション能力、調整力、体力が必要であることを説いた。

 一方、自身も同校のOBである木脇伸博氏(株式会社博栄建設)は、様々な設備やカリキュラムが整った同校の環境を生かし、様々なことに挑戦してもらうとともに、「地元にも良い会社が数多くあることを知ってもらいたい」と呼び掛けた。また、同行した宮崎県の担当者が、建設産業の魅力発信サイト「ビルミヤ」を紹介した。

 陸上競技場の建設現場で行われた見学会では、県土整備部営繕課の担当者が、メインスタンドを包み込むような大屋根と、一部フィールドに張り出した臨場感のある客席が特徴であることを説明。宮崎県と都城市が役割を分担して、主競技場や投てき練習場、補助競技場、多目的広場の整備にそれぞれ取り組んでいることを解説した。

 特定建設工事共同企業体の構成員として施工を請け負う株式会社下森建装の担当者は、上空から撮影した現場全体の写真を時系列に沿って示しながら、着工から現在に至るまでの工事の流れを説明。説明後には、実際に現場を見て回り、大屋根工事の一部を地上で行うことで、安全性や作業の効率性を高めていることなどを学んだ。

 昼食を挟み、午後からは、吉原建設株式会社が都城市内で施工する丸谷第3砂防堰堤左岸工事(国土交通省九州地方整備局宮崎河川国道事務所発注)の現場も見学した。初めて現場見学会に臨んだ女子生徒は、「沢山の人が利用する大きな施設を、人の手でゼロから造り上げていることに対して、とても驚いた」などと話した。