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「地域のくらし」テーマ、学生が発表 建築甲子園県予選

      

▲写真は大会の模様、参加した学生

 一般社団法人宮崎県建築士会(松竹昭彦会長)は10月23日、宮崎市内で高校生の「建築甲子園」宮崎県予選大会を開催した。県立宮崎工業高等学校と都城工業高等専門学校の2校から出場した5チームが全国大会への出場を目指し、「地域のくらし―まちに住む・地域に開く住まい」をテーマに作品を発表した。

 建築甲子園は、建築教育課程のある全国の工業高校、高等学校、工業高等専門学校を対象とした全国規模のコンペ。14回目となる今大会は、地域の暮らしと周辺環境に視点を置き、自慢の町・環境を生かした地域コミュニティのきっかけとなる職住一体の家について、ライフスタイルを見直す新しい住まいの提案を求めた。

 主催者挨拶で松竹会長は、「同じ年齢、年代同士、今大会を契機に認め合い、将来に対する姿勢や心構えを高めるきっかけになれば」と参加した生徒にエールを送った。

 宮崎県予選大会では、審査員が▽テーマの理解度▽提案度▽具体性▽独創性▽表現力(プレゼン力)―の5項目に、出来栄えを加えて作品を評価。最優秀賞1作品、優秀賞2作品程度、奨励賞をそれぞれ選定し、最優秀賞を受賞したチームの作品を全国選手権大会(公益社団法人日本建築士会連合会が審査)に提出する。

 プレゼンテーションでは、スライドに平面図などを示しながら、作品のコンセプトや導入機能を説明。審査員長を務めた稲用光治氏(元県立宮崎工業高校校長)、一般社団法人宮崎県建築士事務所協会の村社俊弘会長、公益社団法人日本建築家協会九州支部宮崎地域会の久寿米木和夫会長ら、6人の審査員からの鋭い質問に的確に回答した。

 最優秀賞を受賞した都城工業高等専門学校3A-1チーム(岩井杏介さん、上森匠馬さん、立石海人さん、西脇颯汰さん、津曲世成さん、瀨口統夢さん、中西凛斗さん)の作品名は「美住館」。「美術館に住まう」ことをテーマに、来館者とアーティストの架け橋となるよう、日々の生活が芸術と共鳴する空間を体現した。

 1・2階に居室やアトリエ、展示室等を設け、創作活動に打ち込めるほか、作品の展示や販売等、来館者との交流も行うことができる造りとした。3階には、レストランのほか、運動・遊び・リラックスできる空間として屋上庭園を設置。居住者・来館者の双方に良い影響を与え、美住館全体の活性化に繋げたいと期待を込めた。

 次点の優秀賞は、大淀地区にかつての活気を取り戻すための街づくりを提案した宮崎工業高校Aチームの「PROMENADE~寄り道しようよ~」、佐土原町茄子の収獲体験と居住・飲食が可能な職住環境を提案した宮崎工業高校Cチームの「NASUNION~ひと息つこうよ憩いの場~」が受賞。この他の2チームには奨励賞が贈られた。