宮崎県は、大規模災害からの円滑かつ迅速な復旧・復興を図るため、「復旧・復興建設工事共同企業体制度」を導入する。対象は、大規模災害からの復旧・復興工事で、3千万円以上5億円未満の土木一式工事。被災地域内の建設企業と被災地域内外の建設企業が建設工事共同企業体(JV)を結成することで、効率的な施工体制を確保する。
1月26日に開催した2022年度第2回「入札・契約監視委員会」(鈴木祥広座長=宮崎大学工学部長)で、県の担当者が委員に説明した。
復旧・復興JVは、東日本大震災の被災3県(岩手、宮城、福島)の復旧・復興工事で効率的に施工体制が確保できるよう、国土交通省が2012年度に試行を開始。昨年には、復旧・復興JV制度をJVの新たな類型としてJV準則に位置付け、被災3県以外で大規模災害が発生した時にも円滑に施工体制を確保できるようにした。
激甚災害にも指定された2022年台風第14号により、県内の公共土木施設では甚大な被害が発生し、特に県北部の中山間地域に被害が集中し、災害復旧事業が本格化する中で、被災地域における建設工事需要が急増し、地元企業の技術者不足等による入札不調の増加が見込まれることから、復旧・復興JVを活用した新制度を創設する。
宮崎県が復旧・復興JVを適用する案件は、大規模災害からの復旧・復興工事で、3千万円以上5億円未満の土木一式工事。組み合わせは、被災地域内の建設企業(特A級またはA級またはB級)と被災地域内外の建設企業(前同)とする。地域は、被災地の土木事務所及び西臼杵支庁単位で設定する。
構成員数は2社または3社とし、このうち少なくとも1社は被災地域内企業とする(代表構成員は限定しない)、A級が2社以上であれば特A級の対象工事に、B級が2社以上であればA級の対象工事に参加できる。技術者は代表構成員のみ専任配置とする。その他の構成員は専任は不要で、他工事との兼務を認める。
復旧・復興JVの対象工事は、発注見通しで公表するとともに、入札公告にその旨を記載する。対象工事に参加するためには、事前に復旧・復興JVの登録を行い、公告日時点で登録済であることが必要。申請書に協定書等を添付して申請する。申請結果を申請者及び発注機関に通知するともに、工事成績評定点及び平均受注額を通知する。
登録は1企業あたり最大3JVまで。登録企業の単体入札も可能だが、同一入札に複数形態で参加することはできない。登録した復旧・復興JVの有効期間は2024年3月31日まで。解散届を提出することで、随時解散を可能とする。
技能者の宿泊費等(共通仮設費(営繕費)及び現場管理費(労務管理費))の支出実績額が積算基準書による算出額を超えた場合には、差額分を設計変更の対象とする。
宮崎県では、2月1日に更新する発注見通しで、対象工事を公表するとともに、同日からJVの申請受付を開始する予定。詳細は2月1日に公共事業情報サービスに掲載する。
復旧・復興建設工事共同企業体の取扱要領等は、公共事業情報サービスで確認できる。