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三納代北地区直売所、23年度に工事発注へ 新富町

▲新施設のイメージ図・町HPより

 新富町は、ユニリーバスタジアム新富の北側敷地に、新作物の栽培及び実証実験を行うハウスや農畜産物直売所等を整備する計画を進めている。これまでに一部ハウスの建設工事を行ったほか、今年7月には直売所整備に係る実施設計を委託した。計画が順調に進めば、23年度に直売所等の建設工事を発注し、同年度内の完成を目指す。

 農業従事者の高齢化や担い手の減少、人手不足等に伴う労働力の低下、農産物の自由化や価格の低迷、消費の多様化など、近年の農業分野を取り巻く情勢は、かつてないほど厳しい状況にある。あわせて、農地利用の多様化やAI・IT・IoTを活用したスマート農業の台頭など、地域農業は大きな変革の時期を迎えている。

 こうした地域農業の現状を踏まえ、新富町と児湯農業協同組合は2021年6月に「一般社団法人ニューアグリベース」(農業公社)を設立。行政と農協が一体となり、新たな農産物生産技術の開発研究、新作物の産地化及び地域農業者の人材育成・担い手確保、販路拡大及び出口戦略等の取り組みを展開し、攻めの農業を実施する。

 地域農業の振興発展や持続可能な新しい地域農業の実現に取り組む「攻めの農業拠点」として、新富町三納代にあるユニリーバスタジアム新富の北側敷地(約8㌶)を活用し、新規農業参入ハウスや新規作物の栽培及び試験研究用ハウスのほか、農畜産物直売所や商品開発加工施設等の施設を一体的に整備する。

 農業生産技術の開発や新作物の産地化研究等を行うための実証実験ハウスに関しては、敷地内の農業研究等エリア(約4㌶)を活用し、21年度からAP改良型ハウス(約10㌃)と硬質フィルムハウス(約20㌃)の建設工事を行っている。22年度も引き続き、硬質フィルムハウスとAP改良型ハウスの整備を行う予定。

 一方で、直売所等エリア(約4㌶)内に整備する新施設に関しては、7月21日に指名競争で「三納代北地区直売所実施設計業務委託」の入札を執行し、相馬建築設計事務所が1650万円で落札した。同日には「三納代北地区直売所測量設計業務委託」の入札も執行し、森技術コンサルタンツが1600万円で落札している。

 新施設の規模は、現時点で公表していない。実施設計業務の委託期間は23年3月までを予定。計画が順調に進めば、23年度に新施設の建設工事を発注し、同年度内に施設を完成させる見通しでいる。