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1211棟で住家浸水、台風14号被害状況 宮崎県

 害をもたらした2022年台風14号の被災状況をまとめた。9月28日15時現在、都城市と延岡市、三股町で死者3人、宮崎市や延岡市などで重軽傷者24人の人的被害を確認。住家被害では、全壊2棟、半壊10棟、一部破損68棟のほか、1211棟で床上・床下浸水が確認されている。

 住家被害の内訳は、全壊が日向市と諸塚村で各1棟、半壊が諸塚村7棟など、一部損壊が高鍋町34棟、都城市と国富町で各8棟、日向市と椎葉村で各6棟など。浸水被害は、床上浸水が延岡市318棟、都城市196棟、西都市88棟など合計728棟、床下浸水が延岡市189棟、西都市124棟、都城市91棟など合計483棟となった。

 下水道関係では、諸塚浄化センターが冠水で機能停止しており、バキューム車で汚水を場外に移送している。一部浸水した都城浄化センター(都城市)や大堂津第1汚水中継ポンプ場(日南市)、卵形消化槽の外壁が破損した宮崎処理場(宮崎市)、制御盤が浸水した延岡市天下第2マンホールポンプ場(延岡市)は、処理機能に問題はない。

 県管理道路では、国道3路線(5区間)と県道28路線(31区間)で交通規制を実施。被害の内訳は、高千穂町の県道諸塚高千穂線など倒木が12区間、西米良村境~椎葉村の国道265号など崩土が7区間、日之影町の県道日之影宇目線など路肩決壊が15区間、諸塚村~椎葉村の国道327号など道路決壊が2区間となっている。

 河川関係では、西之園川で河川埋塞が発生。港湾関係では、方財海岸で流木が大量漂着し、美々津港で物揚場や護岸、導流堤、砂防堤が被災。細島港ではSOLASフェンスが被災し、延岡港や福島港では流木が漂着した。

 都市公園等では、平和台公園で四阿倒壊やはにわ橋の手すり破損、遊歩道の舗装破損など、総合運動公園で四阿倒壊や野球場等のフェンス破損、遊水池護岸崩壊、サッカー場・テニスコート観客席の屋根破損などの被害が発生。これらの公園に加え、総合文化公園や西都原古墳群、青島亜熱帯植物園で多数が倒木した。

 農林水産関係では、県内全域で水稲や飼料作の倒伏、ハウス被覆資材の破損といった被害を確認。農地358箇所、農業用施設(水路・農道・頭首工・揚水機)312箇所、生活関連(集排施設)2箇所で被害が発生した。林道は、15市町村130路線347箇所で法面崩壊等が発生。また、16市町村55箇所で林地崩壊等が生じた。

 学校関係では、県内全域の公立小中学校247校で倒木や停電、窓硝子の破損、雨漏りなどの被害が発生。県立学校でも、施設の一部破損や雨漏りといった被害が生じた。私立学校は、15箇所で屋根や窓硝子、門扉・フェンス、シャッター等が破損。文化財関係では、国及び県指定の文化財32件で倒壊や外壁落下、破損、浸水等の被害が生じた。

 県は、台風14号被害に起因する商工業者の経営・金融相談に対応するため、中小企業特別相談窓口を設置。また、休業等に伴う売上減少等の間接的な損害を受けた中小企業者の経営安定を図るための長期・固定・低利の融資制度、災害に係る県税の特例措置、農作物等被害を受けた農業者を支援するため災害資金を設けている。