宮崎県は、9月18日~19日に本県を襲った2022年台風14号の被災状況をまとめた。9月20日15時現在、都城市と三股町で死者2人、宮崎市や延岡市、日南市、小林市などで重軽傷者21人の人的被害を確認。住家被害では、椎葉村で半壊2件と一部損壊6件が確認されたほか、県内各地で多数の床上・床下浸水が生じている。
水道関係では、宮崎市田野町や高岡町の一部、西都市上の宮地区、美郷町宇納間地区、小林市北部地域、椎葉村尾田山中地区、延岡市北方町地区、木城町川原地区、高原町の常盤台浄水場、日南市目井津地区などで、停電や導水管・配水管の破損等に伴う断水が発生。下水道関係では、諸塚浄化センターが冠水により機能停止した。
県管理道路では、国道9路線14区間、県道54路線65区間で通行止めなどの交通規制を実施。被害の内訳は、倒木がえびの市の国道447号や五ヶ瀬町の国道503号など51区間、崩土が西米良村~西都市の国道219号や日南市~都城市の国道222号など11区間、洗い出しが5区間、道路決壊が2区間、その他が1区間となっている。
河川関係では、西之園川で河川埋塞が発生。港湾関係では、方財海岸で流木が大量漂着したほか、美々津港で物揚場被災、細島港でSOLASフェンス被災、延岡港や福島港で流木漂着が生じた。都市公園等では、平和台公園や総合運動公園で四阿が倒壊するなどの被害のほか、総合文化公園や西都原古墳群などで多数が倒木した。
農林水産関係では、西都市で水田やハウス等が冠水し、その他の地域でも同様の被害が発生している。詳細は21日以降に確認する。農地・農業用施設では、高千穂町岩戸地区の牛舎が押し流され、宮崎市跡江のJA宮崎中央家畜市場で牛舎やセリ市場が冠水したほか、農地31箇所、農業用施設(水路・農道)13箇所で被害が発生した。
水産・漁港関係では、串間市宮之浦漁港に係船中のタグボートが沈没。日南市大堂津漁港では、北防波堤(港湾内側)の延長7m区間で被覆ブロックが飛散した。
学校関係では、県内全域の231の公立小中学校で倒木や停電、窓硝子の破損、浸水などの被害が発生。県立学校でも倒木や施設の一部破損といった被害が生じた。宮崎農業高校では、大会議室棟軒天石膏ボードの脱落やプレハブ倒壊、都城きりしま支援学校では、屋上防水シートの剥がれや軒天ボード落下などの被害が生じた。
県では、台風14号被害に起因する商工業者の経営・金融相談に対応するため、20日に「中小企業特別相談窓口」を設置。また、休業等に伴う売上減少等の間接的な損害を受けた中小企業者の経営安定を図るための長期・固定・低利の融資制度を設けている。