▲写真は表彰式の模様
宮崎県は8月23日、2022年度「宮崎県優良工事表彰」の知事賞表彰式を県庁で行った。今年度の知事賞を受賞した▽吉原建設株式会社▽株式会社五幸建設▽河野・児玉経常建設共同企業体▽株式会社天井丸建設▽旭建設株式会社―の5者の代表と技術者が出席。河野俊嗣知事が各者に表彰状と記念品を贈り、創意工夫に満ちた施工と優れた技術を称えた。
宮崎県優良工事表彰は、公共三部(県土整備部・農政水産部・環境森林部)が所管する建設工事で、工事成績が優秀であり、かつ他の模範となる取り組みを行っている工事を表彰するもの。建設業者や従事者の意欲向上を図り、公共工事に対する県民のイメージアップに繋げることなどを目的として2010年度に創設された。
表彰の対象は、前年度に完成した当初設計額1000万円以上の公共三部所管工事。工事成績評定が対象工事全体の平均点以上となっている工事や、施工・施工管理・安全対策・地元調整・環境対策等で取り組んだ創意工夫や努力が顕著な効果を発揮し、地域住民や現場作業員等の喜びや感謝につながった工事などを選んだ。
表彰式で挨拶に立った河野知事は、受賞した各者が厳しい現場環境を克服しながら円滑に工事を進めつつ、これと同時に周辺環境への配慮や地域住民への丁寧な説明、子ども達の学習機会となる取り組み、ICTやドローンの活用といった様々な工夫を行い、各現場で他のモデルとなるような取り組みが行われたことを高く評価した。
一方で、県民の安全・安心な暮らしを守るインフラ整備をしっかりと進めていくため、引き続き、財源や人材の確保、様々な技術を将来に伝える取り組みがきわめて重要になると指摘。今回の表彰が現場に携わった全ての関係者や社員の励みになることを踏まえ、「誇りを持って次の良い仕事に繋げてもらいたい」と期待を寄せた。
五幸建設が施工した道路防災工事で主任技術者を務めた同社の柏木竜也さんは、「現場スタッフや地域の協力を得ながら、無事故・無災害で完工できたことを嬉しく思う」と受賞の喜びを語るとともに、「これまで培った技術を生かし、後進の育成にも努めながら、今後も安全で高品質な施工を心掛けたい」と意気込みを語った。
知事賞の受賞工事は以下のとおり(▽施工業者=①対象工事②工事概要③講評要旨)。
〔県土整備部〕
▽吉原建設株式会社=①令和2年度県ス施整第1-1-9号山之口運動公園造成工事(9工区)②切土工、盛土工、法面保護ブロック工、ボックスカルバート工③他工区とつくる安全協議会の会長として、現場の諸問題や地元の要望に対して迅速に対応するとともに、多量の残土搬出に際して、とりまとめ会社として各社の日程を調整し、周辺道路の混雑緩和などに努めた。
▽株式会社五幸建設=①令和2年度防国法面第55-15-1-1号国道388号黒瀬工区道路防災工事その3②切土工、現場吹付法枠工、モルタル吹付補修工、鉄筋挿入工③空洞化した既設法面保護工を取り壊し、鉄筋挿入や吹付法枠を施工する道路防災工事で、無人化施工や斜面の安全を監視する様々な手法を導入し、作業者の安全確保や負担軽減に努め、工期短縮を実現した。
▽河野・児玉経常建設共同企業体=①令和2年度改修防災第3-70-2-2号油津港第10岸壁岸壁改良工事9工区②上部工、アンカー工、舗装工③事例の少ない岸壁耐震改良(アンカー工事)で、ジャーミングの解消にジャッキを使用したり、環境に配慮した特殊保護材を使用するなど、確実な施工で工事の進捗を図ったほか、循環濾過システムによる濁水対策などに努めた。
〔農政水産部〕
▽株式会社天井丸建設=①令和2年度経営体育成基盤整備事業大和地区1工区②整地工、道路工、排水路工③宅地等が密集し、交通量も多く、複数工事が錯綜する厳しい条件のほ場整備に於いて、きめ細やかな対応で地域住民と良好な関係を築き、無事故で工事を進めたほか、ほ場整備経験の少ない管内の若手技術者向けに研修会を開催するなどの取り組みを積極的に行った。
〔環境森林部〕
▽旭建設株式会社=①令和2年度山のみち地域づくり交付金事業小川・石打谷線(2工区)②土工、法面工、アンカー工③高所かつ急傾斜で、脆弱な土質が露呈するなどの厳しい現場条件の中で、ドローン空撮測量及び三次元解析ソフトを活用するとともに、掘削作業ではICTを登載した高所法面掘削機(クライミングマシン)を使用し、安全かつ効率的な施工を実現した。