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県北地区で土木事務所等と意見交換 宮崎県法面保護協会

      

▲写真は挨拶する河野会長、平部所長、会議の模様

 一般社団法人宮崎県法面保護協会(河野裕介会長)は8月10日、日向市内で西臼杵支庁及び日向・延岡土木事務所との「県北地区意見交換会」を開催した。新型コロナウイルス感染防止対策を徹底した上で、出席した会員企業の代表らが、総合評価落札方式を含む入札契約制度や設計・積算等の現状を踏まえた課題について意見を交わした。

 会合には、協会から河野会長をはじめとする理事や県北地区の会員ら18人が出席。県からは、日向土木事務所の平部隆典所長や延岡土木事務所の横山義仁所長をはじめ、各土木事務所の幹部職員ら13人が出席した。

 冒頭、挨拶に立った河野会長は、頻発する自然災害を踏まえた国土強靭化のための5か年加速化対策等により、公共事業予算や事業量が増加していることに言及。建設業界を取り巻く環境が、人手不足や高齢化、若手の入職減少などで厳しい状況にある中、働き改革の取り組みや入札不調の増加といった問題が山積していると述べた。

 一方で、県民の安全・安心を守るために、「建設業が地域に根ざし、地域の守り手として力を発揮する体制を整えておくことが大事になってきている」と指摘。「発注者と受注者が課題や問題点について意見を交換することは意義深く、互いに協力しあうことが今後更に必要になってくる」と述べ、更なる連携の必要性を訴えた。

 県側を代表して挨拶した日向土木事務所の平部所長は、建設業界の担い手確保が喫緊の課題であることを踏まえ、労務単価の引き上げや週休二日及びCCUSの導入促進、ICTの活用など、現場の環境整備に取り組む重要性を強調。「こうした問題については、官民一体となって取り組まなければならない問題だと認識している」と述べた。

 挨拶後には、西臼杵支庁・日向土木事務所・延岡土木事務所の担当者が、法面工事に係る発注状況等についてそれぞれ説明した。

 意見交換では、▽入札制度▽設計・積算▽現場での施工技術▽工事検査▽その他―の各テーマに基づく10項目について協会が提案。入札制度に関しては、法面工事の総合評価シートに公共施設保全の取り組みに対する配点がないことから、法面の防災協定加入を総合評価の対象にしてもらうよう求めた。

 設計・積算に関しては、小運搬に係る費用や、設計条件と乖離が生じた際の逆巻き施工における吹付プラント設置・撤去費等について、適切な設計積算や設計変更で対応してもらうよう要請。斜面工事の立木伐採に関しては、専門業者等の見積りによる設計金額を徹底してもらうよう求めた。

 また、急傾斜地工事では、搬入道路や資材ヤードが狭小であるケースが多く、施工条件や設計積算が実態との乖離が大きく、敬遠されがちな工事となっていることから、設計段階における三者検討会を積極的に開催してもらうよう提案。現場の負担を減らすための工事書類の更なる簡素化や書類の電子化の推進も求めた。

 会議ではこのほか、法面工事の現状や今後の課題・問題点をテーマに、協会の現状及び将来像、担い手確保や技能者・施工班の育成・雇用などについて説明を行った。