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会員間で情報共有、技術を研鑽 ICT推進コンソーシアム

      

▲写真は挨拶する岡﨑会長、講師の池田市長、総会の模様

 宮崎県建設業ICT推進コンソーシアム(岡﨑勝信会長)は7月21日、宮崎市内で2022年度「第2回総会」を開催した。新型コロナウイルス感染防止対策を徹底した上で、総会にはコンソーシアムに加盟する企業の代表らが出席。21年度事業報告及び決算、22年度事業計画案及び予算案などを原案どおり承認した。

 コンソーシアムは、ICT(情報通信技術)を活用した建設現場の生産性向上や建設分野のDX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進するため、20年12月に県内の建設会社13社で発足。会員間の技術交流を目的とした勉強会や現場見学会等を定期的に開催している。今総会までに会員数は28社に増えた。

 挨拶で岡﨑会長は、新型コロナウイルス感染症やウクライナ情勢の影響に伴い、建設業を取り巻く環境が複雑化し、将来が見通せない状況にあると指摘。こうした中で、建設業の将来を造り上げるための手段の一つがICTであるとする一方、思うような成果が上がっていないとしても「歩みを止めてはならない」と述べた。

 その上で、国交省が23年度からBIM/CIMを原則適用することや、宮崎県が今月からCCUS活用推奨モデルの対象を拡大するなど、各機関で直接的・間接的にICTの活用が進んでいることを説明。会員間で技術や情報を共有し、成果を上げていけるよう、「前向きな会にしていきたい」と今後の意気込みを語った。

 議案審議では、21年度の事業経過を事務局が説明。会員の現場で重機の遠隔操作に関する見学会を開催したことや、都城市とデジタル化促進に関する意見交換会を開催したこと、最新のICT事例や各社のICT取組事例を報告する勉強会を開催したこと、インフラ分野のDX推進に関する講演会を開催したことを紹介した。

 22年度の活動計画に関しては、国土交通省のDX担当者やICT先進企業を講師に招き、経営者・技術者・若手技術者向けの勉強会をそれぞれ開催する予定。また、DX・ICTに係る先進企業や施設の視察、会員各社が保有するICT関連機材等に関する情報交換、会員間の交流促進を目的とした懇親会の開催を企画する。

 総会後には、都城市の池田宜永市長を講師に招き、「結果を出す自治体経営」をテーマに基調講演が行われた。池田市長は、自治体経営を行ううえで最も大切な経営資源が人財(ヒト)であり、魅力あるまちづくりを進めるため、ヒトのやる気や元気、まちの熱気や空気といった目に見えない「気」を大切にしていることを説明した。

 このほか、市の職員と1年間かけて意見を交わし、人として、また市の職員としてあるべき姿をまとめた「都城フィロソフィ」を全国の自治体で初めて作成したことを紹介。これらの取り組みを「企業経営の参考にしてもらえれば」と話した。