延岡市は、建築基準法で定める耐震基準を満たしていない市立岡富中学校のカラミレンガ塀に係る耐震補強工法を見直す。従来計画の「コンクリートによる補強」では、軟弱地盤によりその自重で沈下してしまう恐れがあることが判明したことから、杭基礎を用いて全体を軽量化した「鉄骨部材による補強」に変更する。
1915年に建造された岡富中学校のカラミレンガ塀(延長122m、高さ=歩道側2.1m、学校側1.16m)は、長年にわたり市民に親しまれてきたが、現状のままでは建築基準法が定める耐震基準を満たしていないことが判明したため、保存の可能性や方法等に関して、専門的な知見を有する機関に調査を委託した。
こうした調査やパブリックコメントの結果、施工のし易さ及びコストの面から、市は「コンクリートによる補強」で維持保存する方針を決定。これを踏まえ、補強に係る詳細設計を進めてきたが、レンガ塀付近の地盤調査で軟弱な地盤があることが確認され、現行計画ではその自重で沈下してしまう恐れがあることが判明した。
このため、より軽量な補強工法として、鉄骨部材による補強をベースに、従来計画のコンクリート基礎を杭基礎に見直し、更に既存レンガ塀の笠木部分を撤去して全体を軽量化した補強工法を新たに採用する。従来計画の概算工事費は約4000万円を見込んでいたが、新たな計画では概算工事費は7800万円程度となる。
市は、こうした工法見直しの概要をホームページ等で公表し、8月4日まで市内居住者などを対象に意見を受け付ける。提出された意見は、内容ごとに整理・分類した上で、これに対する市の考えとともに公表する。意見の提出先及び問い合わせ先は、教育委員会総務課施設係(電話0982-22-7030)。
《見直しの概要》