▲写真は見学会、出前講座の模様
一般社団法人宮崎県建設業協会は7月15日、宮崎県立宮崎南高等学校の生徒を対象とした出前講座と現場見学会を開催した。フロンティア科の1年生2クラスを対象に、午前と午後に分けて、建設業に関する講義を実施。また、会員企業が施工する橋脚工事の現場で、ICT建機の仕組みや機能を学び、建機の操縦にも挑戦した。
宮崎南高校では、各種産業や企業の視察・講話等を通じて、本県の現状や課題等を知り、その解決策を模索する探求学習を実践。建設業をテーマとした今回の視察では、宮崎県の委託を受けて「建設産業県内就職促進事業」に取り組む宮崎県建設業協会と、会員企業の龍南建設株式会社(川浦幸治代表取締役、宮崎市)が協力した。
出前講座で川浦氏は、自身の経験を交えながら、建設業に入職したきっかけや進路を選択する際のポイント、発注者・施工者・設計者のそれぞれの役割、技術者と技能者の違いなどを紹介。一般的に知られている土木や建築のほかにも様々な職種があり、これらが一つになって多種多様な構造物を造り上げていることを説明した。
現場見学会は、西日本高速道路九州支社が発注し、同社が施工を請け負う東九州自動車道古城橋(下部工)工事の現場で開催。現場担当者は、新たな橋梁を架設するための橋脚3基を設置する工事であることを説明し、自然を相手に時間と労力を掛けて、皆で力を合わせて、ゼロから一つのモノを造り上げる建設業の魅力を説いた。
見学会ではこのほか、株式会社コマツレンタル宮崎の担当者が、GNSSを活用したICT建機の仕組みや機能、マシンガイダンスとマシンコントロール、自動制御システムや自動整地アシストといった同社の建機の特長を解説。こうした説明を踏まえ、生徒の代表が実際に現場で使用している建機に試乗し、操縦を体験した。
参加した生徒は、「建設業は3Kのイメージがあったが、きついだけでなくやりがいがあり、人の役に立つ仕事だと感じた」と話した。講師を務めた川浦氏は、「様々な職種が存在する建設業の魅力や奥深さ、デジタル化や労働環境の改善が進む現場の現状を知ってもらい、進学または就職する際の参考にしてもらえれば」と期待を込めた。