建設ネット企画画像 四角 四角

高校生に建設業の魅力を発信 竹中工務店と九州竹和会

      

▲写真はセミナーの模様

 株式会社竹中工務店九州支店と協力会社でつくる九州竹和会(中村隆元会長)は、7月12日に宮崎県立宮崎工業高等学校で「建設業魅力発信セミナー」を開催した。九州竹和会や宮崎地区安全衛生協力会が主体となり、建築科2年生の生徒を対象に出前授業を開講したほか、様々な職種の技能体験イベントを通じて、建設業の魅力をPRした。

 建設業の喫緊の課題である中長期的な担い手の確保及び育成のため、九州内の高等学校や専門学校の学生らを対象に開催しているもの。開始式で挨拶した竹中工務店九州支店の立山恵朋調達部長は、建設現場でICTの導入が進む一方、最終的には人の手が必要であることや、苦労して建物を造り上げた時の喜びが大きいことを紹介した。

 また、九州竹和会の上田靖夫副会長は、「端から見ればいつの間にか建っている建物の内部で、建設中にどのような作業が行われているのかは、外部からは分かりづらい。セミナーを通じて、どういった作業が行われているのかを体験しながら学び、学んだことをこれからの学校の授業などに活かしてもらいたい」と生徒に呼び掛けた。

 出前授業では、計画・設計や施工といった建物ができるまでの流れのほか、竹中工務店が手掛けた代表的な建築物、躯体・仕上・設備の3部会で組織する九州竹和会について説明。その後、九州竹和会の若手技術者と仕事内容ややりがい、作業をする上で必要な資格について対話形式で説明を受けたほか、足場のVR体験に臨んだ。

 各班に分かれて行われた施工体験では、九州竹和会の会員企業が個別に体験ブースを設置。このうち足場体験では、会員企業の技能者の指導のもと、実際に足場の設置及び組立に挑戦するとともに、校内に設置された足場を上りながら各部位の役割を学んだり、フルハーネスを装着することで足場からの墜落を防げることを学んだ。

 生徒達はこのほか、塗装前の下地処理及び塗装体験、サッシ窓組立取付及びシール打ち体験、タイル切断及び貼り体験、壁石膏ボード貼り体験、タイルカーペット貼り体験、電気配線の結線及び器具付け体験、塩ビ配管の切断及び接合体験、空調機器の取付体験に挑戦。建設現場のものづくりを、実際に見て、触って、体感した。

 参加した男子生徒は、「足場体験を通じて、フルハーネスと胴ベルトをどのように使い分けるかなど、教科書に載っていないことを知ることができた」と話した。男子生徒は将来、建設現場で働くことを目指しており、「色々な作業を体験することで、将来に向けて具体的なイメージを持つことができた」とも話した。

 九州竹和会の上田副会長は、「セミナーを通じて、様々な会社が力を合わせて、建造物を完成させていることを学んでもらいたい。建設業に対する理解や興味を更に深め、将来、建設業への入職を選択してもらえれば嬉しい」と期待を込めた。