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木下氏(旭建設)にi-Con賞 土木施工管理技術論文表彰

▲写真は旭建設の木下氏

 一般社団法人全国土木施工管理技士会連合会が主催する第26回「土木施工管理技術論文・技術報告」の技術論文部門で、日向市に本社のある旭建設株式会社(黒木繁人代表取締役社長)の木下哲治取締役専務が「i-Construction賞」を受賞した。急斜面の法面掘削で、3Dマシンガイダンスを登載した特殊掘削機を活用し、安全な作業環境を構築したことが評価された。

 技士会連合会では毎年、建設現場の課題解決のための創意工夫や施工・施工管理等の技術・効率の向上、i-Construction及びインフラDXによる生産性向上や業務の改善、次世代への技術伝承等に重点を置き、他の施工管理技士の参考になる技術論文と技術報告を募集し、優れた論文及び報告を表彰している。

 i-Construction賞を受賞した木下氏の論文テーマは「3DMG特殊斜面掘削機による急斜面での安全作業環境の構築について」。西米良村横野で同社が施工した山のみち地域づくり交付金事業小川・石打谷線(2工区)について、急斜面での安全作業環境構築を最優先に考え、ICT施工を実践した事例をまとめた。

 現場は急峻・複雑な地形で、斜面上での測量や丁張設置といった作業に危険が伴うことから、3Dマシンガイダンスシステムによる特殊法面掘削機を提案。斜面上部にある立木等のアンカーに、重機本体の油圧ウインチから伸びたワイヤーロープを接続する特殊法面掘削機によりICT施工を導入し、足場のない斜面に於いても安全な掘削作業を行った。

 掘削機に取り付けられたGPSセンサーで自機の位置や掘削箇所を把握し、オペレーターがモニターを確認しながら適切な位置を掘削する。これによって、危険箇所での丁張設置や掘削途中の測量管理が不要となる。三次元モデル等を活用して完成イメージを見える化し、事前に問題点を把握することで手待ち・手戻りも防止した。

 木下氏は、「第18回土木施工管理技術論文・技術報告」の技術論文部門で最優秀論文賞を受賞しており、今回が2度目の受賞となる。「栄えある賞をいただき身に余る思い」と受賞を喜ぶとともに、「今回の受賞は、施工に御協力いただいた関係機関の皆様、そして協力会社、社員の方々のおかげ」と、周囲の協力に感謝の気持ちを示した。

 さらに、「建設分野のICT技術活用は、単なる省人化や省力化による生産性向上、担い手不足への対応だけでなく、リスクゼロの作業環境を目指した安全性向上にこそ大きくクローズアップされるべき。ICT技術の進歩は年々加速度的に増しており、今回の賞に恥じぬよう、技術者として更なる技術研鑽に努めたい」と意気込む。