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新庁舎候補地で3案提示、現地と宮崎中央公園 宮崎市

 宮崎市は、経年劣化や防災等の観点から建て替えを行う市役所新庁舎の建設候補地として、現在地に整備する案と宮崎中央公園内に整備する2案の合計3案を示した。今後、基本構想の策定作業と並行して、これらの候補地の比較資料を作成・公表し、議会への報告や意見聴取等を行う。早ければ年明けにも建設場所を決定する考え。

 5月16日に開かれた宮崎市議会の全員協議会で、新庁舎の建設候補地や選定理由、今後の検討スケジュールなどを説明した。

 防災拠点としての機能確保など、現庁舎が抱える課題を踏まえ、市は庁舎を建て替えで整備することを決定。新庁舎の建設エリアに関しては、市民らでつくる検討会の報告や市議会からの提言を踏まえ、防災・利便性・まちづくりなどの観点から「宮崎駅周辺」及び「現地を含む橘通周辺」を対象に検討する方針を示していた。

 今回、市が示した建設候補地は、現庁舎敷地と隣接する橘公園の一部を含む現地のほか、市有地及び国有地を活用した宮崎中央公園内2案の合計3案。いずれのケースも、必要敷地面積は約1万9000m2と試算する。

 このうち現地に関しては、▽市有地で必要敷地を確保できる▽市民にとって慣れ親しんだ場所▽地震による津波の浸水想定区域ではない▽隣接して住宅地がないなど周辺に与える影響が少ない▽県庁と近接し利便性が高い▽橘公園と一体的に整備することで、市民に親しまれる新たな空間を創出できる―などを選定理由に掲げた。

 一方、宮崎駅東口周辺に位置する宮崎中央公園に関しては、①科学技術館~総合体育館の南側に東西に配置する案②科学技術館及び隣接する宿泊施設の南側に南北に配置する案―の2案を提示。①のケースは市有地1万5000m2と国有地4000m2、②のケースは市有地8000m2と国有地1万1000m2で必要敷地を確保する。

 いずれのケースでも国有地の取得が必要となるが、解体建物がなく撤去費用などを抑制できることや、地震による津波及び大雨による洪水の浸水想定区域外であること、保健所と隣接し市民の利便性向上が図られること、宮崎中央公園と一体的に整備することで、市民に親しまれる新たな空間を創出することを選定理由に挙げた。

 市は今後、日本総合研究所が支援する基本構想の策定作業と並行して、建設候補地の比較・検討を行う方針。副市長や部局長らでつくる庁舎問題検討委員会を随時開催するとともに、市議会への報告や意見聴取を経て、来年1月~3月に建設場所を決定する。その後に、こうした考えを盛り込んだ基本構想を正式決定する。