建設ネット企画画像 四角 四角

叙勲・褒章伝達式、河野知事「更なる活躍を期待」 宮崎県

      

▲写真は伝達式の模様

 宮崎県は5月6日、県庁講堂で令和4年春の叙勲・褒章及び第38回危険業務従事者叙勲の知事伝達式を執り行った。旭日双光章(専門工事業振興功労)を受章した宮崎県鉄筋業組合元理事長の田中誠二氏や、一般社団法人宮崎県造園緑地協会副会長の増田光則氏らに対して、河野俊嗣知事が勲章・勲記及び褒章・章記を伝達した。

 河野知事は祝辞で、「各分野に於いて、社会の発展に大きく貢献された長年にわたる功績に対して深く敬意を表する」と述べるとともに、高速道路をはじめとする県内の社会インフラの整備やスポーツランドみやざきの取り組みなどを紹介。「受章を契機に尚一層活躍され、宮崎の更なる発展へ力添えをお願いしたい」と述べた。

■田中氏「後進の育成に尽力」

 旭日双光章(専門工事業振興功労)を受章した田中誠二氏は、県内の電気工事会社での勤務を経て、1971年に田中鉄筋工業所で勤務を開始。1973年に改組した株式会社田中鉄筋工業の取締役に就任し、1988年から同社の代表取締役を務める。

 一方で、1994年4月に宮崎県鉄筋業組合の理事に就任して以降、1998年4月に副理事長、2002年4月に理事長に就任し、2015年3月の理事長退任まで20年の長きにわたって鉄筋業の発展に尽力。理事長退任後も相談役として、これまで培ってきた知識や経験を活かし、鉄筋業全体の発展に寄与している。

 組合役員に就任した1990年代は、バブル経済の崩壊により建設工事の受注量が大幅に減少し、業界全体が疲弊していた。そうした状況の中、組合員が受注した物件を相互扶助の精神で組合員全体に仕事が行き渡る取り組みを展開し、難局を乗り越えた。

 1997年から宮崎県技能検定委員(鉄筋)を務め、2003年に宮崎県職業能力開発協会表彰(技能検定関連功労)、2007年に宮崎県知事表彰(技能検定推進功労)、2018年11月に中央職業能力開発協会表彰(技能検定推進功労)を受賞している。

 田中氏は「業界に長年携わってきた者として、今回の受章はとても光栄なこと」と喜びを語りつつ、特に鉄筋工事業では担い手の確保・育成が最重要課題であることを踏まえ、「若年層の育成や労働環境の改善に努めていきたい」と意気込みを語った。

■増田氏「業界発展へ邁進」

 同じく旭日双光章(専門工事業振興功労)を受章した増田光則氏は、別会社での勤務を経て、1972年に宮崎ランドスケープ代表に就任。1981年に株式会社宮崎ランドスケープに改組し、現在も同社の代表取締役を務める。

 一方で、1996年5月から宮崎県造園緑地協会の理事を務め、18年6月に副会長に就任。理事就任当初から、会員の相互の連携や交流を大切にしながら、培った豊富な知識や経験を存分に発揮し、社会に貢献できる人材の育成に尽力してきた。

 協会での活動等を通じて、子ども達に自然環境の大切さを教え、造園業の存在価値を高めるとともに、造園業の社会的地位の向上を目指し、県内造園業界に於ける安定した経営基盤の確立や造園業界の発展に尽力している。

 同氏の取り組みは高く評価され、2001年に宮崎県知事表彰(卓越技能による指導)、2013年に公益社団法人宮崎市観光協会会長表彰(観光振興貢献)、2017年に国土交通大臣表彰(建設事業関係功労)を受賞している。

 増田氏は、「今回の受章は協会の諸先輩方の教えのたまもの。とても嬉しく思う」と、先人の努力と教えに感謝の意を示すとともに、「これまでに教わったことを後進に引き継ぎ、協会ひいては業界の発展に微力ながら貢献していきたい」と語った。