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新施設はS造平屋延べ597㎡ 東郷診療所基本設計概要

▲診療所の外観イメージ(HPより)

 日向市は、市立東郷診療所の基本設計概要をまとめ、ホームページで公開した。敷地内に新たに整備する診療所の規模は、鉄骨造平屋建、建築面積780m2、延床面積597m2。付帯施設として、倉庫や駐車場を整備する。計画では、22年度に実施設計、22年度末~23年度に建設工事を行い、24年度の開所を目指す。

 既存施設の経年劣化に加え、耐震性能及び防災機能の確保の観点から、敷地内に診療所を建て替える計画。施設整備の基本コンセプトに、「地域に根ざし、医療、保健、福祉、介護の架け橋となる診療所」を掲げ、①誰もが安心して利用できるやさしい診療所②地域に寄り添う診療所③健康増進の拠点となる診療所ーを目指す。

 基本設計概要によると、新たな診療所の規模は、S造平屋建延べ597m2。主要諸室として、診察室や処置室、発熱外来診察室、超音波検査室、心電図検査室、内視鏡検査室、地域医療連携室、CT室、レントゲン室、リハビリテーション室、多目的室を配置するほか、付帯施設として倉庫及び30台程度の駐車場を整備する。

 診療所内には、地域と診療所をつなぐ場所として、健康教室等が開催できる多目的室を設置。診療所を訪れる利用者が安らぎを感じられるよう、身近な杉材などの市有林材を内装材(壁や天井)や外装材(軒裏等)に活用する。

 施設の平面計画は、患者待合を建物中央に大きく設け、各エリアのスタッフから利用者に気を配りやすく、死角の少ない計画とした。患者動線、スタッフ動線、救急搬送動線を分離するとともに、感染症対策として、発熱患者専用の駐車場・出入口・待合スペース・診察室等を設け、一般外来患者との動線が交錯しないようにする。

 建物内は段差や勾配のない設計とし、分かりやすく、使いやすいサイン・色彩を採用するなど、バリアフリーやユニバーサルデザインに対応。災害への備えとして、▽電力供給設備の嵩上げ▽高額医療機器保護に止水板等を設置▽飛来物を想定したガラスの強度確保▽飛散防止のため屋根材や軒天の取付強度の確保―などを行う。

 施設の配置計画に関しては、周辺からのアクセスに配慮し、現在と同じ国道側を一般車両の出入口とする。救急車等出入口を南側に設け、一般車との交錯を防ぐとともに、歩行者と車両の動線が敷地内で交錯しない歩車分離の形態をとる。建物周囲には深い軒をまわし、雨に濡れず、外周部を移動できる軒下空間を設ける。

 基本計画段階に於ける概算事業費は約5億円。施設整備に係る実施設計は、基本設計を担当した村田相互設計が担当する。設計業務の履行期限は22年12月23日。事業スケジュールでは、22年度末~23年度に建設工事を行い、準備・移転作業を経て、24年度早期の開所を目指す。既存施設の解体や外構工事は24年度に行う。