日向市の旭建設株式会社(黒木繁人代表取締役社長)は、安全管理のDXの一環として、すべての現場を対象に、現場従事者の血液型や緊急時連絡先、必要に応じて伝えたい持病といった個人情報をQRコード化し、各自のヘルメットに貼付している。万が一、事故や災害で現場従事者が被災した場合、QRコードを活用して迅速に連絡対応し、被災者の命を優先して守る行動がとれるようにする。
現場従事者の緊急時の連絡先は、作業場所から離れた現場事務所等に保管されているため、被災時にどこに連絡すればいいのか冷静に判断できないケースが考えられる。また、被災者が発見者と異なる会社の作業員であった場合や、資材運搬などで現場を離れた時に事故に遭遇した場合は、即座に対応することが困難だった。
個人情報をQRコード化することで、どこに居ても発見者が携帯電話でQRコードを読み取り、即座に緊急連絡先を確認して、適切に対応を行うことができる。また、本人が緊急時に伝えたい持病や既往歴等の記載があれば、適切な応急措置につながる。
従来はヘルメットに名前(フルネーム)や血液型を直接記載しており、現場以外の第三者でも個人情報が確認できてしまう。QRコード化することで個人情報の保護にも繋がる。
同社が施工する門川町の道路改良工事の現場では、全ての現場従事者に対し、氏名や生年月日、血液型、所属会社、元請会社、緊急連絡先、持病や服用中の薬、治療時の注意点等を、本人の了承を得られたものについてQRコード化し、ヘルメットの後頭部に貼付している。ヘルメットには、QRコードのほか、苗字もしくは名前のいずれかのみを記載。現場完了後にQRコードは破棄する。
現場代理人の阿久井裕太氏は、「第一発見者が慌てずにすぐ連絡できることや駆け付けた救急隊員が適切な情報により応急処置をしてもらえる。現場従事者の大切な命を守るためことが最も重要」と話す。