日向市は、住宅政策の基本と位置付ける住宅マスタープランの改定案「「ひゅうが暮らし計画(前期計画)」の素案をまとめ、ホームページで公開した。計画期間は、2022~31年度までの10年間。前半5年間に取り組む施策等を前期計画として定め、前期計画終了に合わせて計画の検証等を行、後期計画を策定する。
計画案では、住まいに関する現状や課題を踏まえ、「住まいと人がつながり誰もが安心して住み続けられるひゅうが暮らし」を将来像に設定。①安心で選択できる暮らしづくり②安全で快適な暮らしづくり③良質で循環できる暮らしづくり―を基本目標に掲げ、これを計画的かつ着実に達成するために取り組む具体的な施策を示した。
一方で、必要性・緊急性の高い施策は優先的に取り組む必要があることから、▽(仮称)日向市居住支援協議会の設立▽民間賃貸住宅による住宅セーフティネット機能の補完▽持続可能な公営住宅管理の推進▽災害発生時における速やかな住宅の確保▽住宅の円滑な再建の体制づくり▽空き家の適正管理等の促進―を重点施策とする。
このうち、持続可能な公営住宅管理では、公営住宅中長期整備計画や公営住宅長寿命化計画に基づく計画的な維持管理や公営住宅管理戸数の適正化を推進。建て替えや改善にあたっては、公営住宅の需要や周辺環境を踏まえ、用途廃止も含めた集約再編、PPPなど民間活力の導入を見据えた他の用途との複合化を検討する。
災害発生時の住宅確保に関しては、応急仮設住宅や災害公営住宅の整備に関する基本的な考え方や基本性能を定めた「(仮称)災害公営住宅等整備指針」を作成するとともに、余震等による二次災害を防止するため、被災建築物応急危険度判定士の確保に努める。このほか、空き家の老朽化防止や老朽空き家の除却も推進する。
その他の施策では、住宅のバリアフリー化や耐震化の促進、公営住宅ストックの柔軟な活用策の検討、地域産材を活用した木造住宅や長期優良住宅・ZEHなど環境性能の高い住宅の普及啓発、ニーズに応じたリフォームの促進、良好な景観形成の促進既存住宅の価値を高める適正な維持管理の促進などに取り組むとした。
基本目標やこれらの施策の進捗を把握するため、改定案では、重点戦略に対応した成果指標と、推移を注視する「モニタリング指標」をそれぞれ設定した。改定案はホームページや建築住宅課(市役所本庁3階)で公開し、1月28日~2月11日まで書面や電子メールで意見を受け付ける。意見の提出先は建築住宅課。