えびの市は、「第二次えびの市環境基本計画」の中間見直しを行うとともに、国や県のエネルギー計画との整合性を図るため、えびの市地域新エネルギービジョンを一部見直し、名称を「えびの市地域再生可能エネルギービジョン」に改称した。ホームページ等で素案を公表し、市内居住者等を対象に意見を募集する。
2018年に策定した現行の「第二次えびの市環境基本計画」は、策定から5年にあたる今年度に中間見直しを実施。基本計画の骨子である望ましい環境像や基本目標等は変更せず、21年度の改革の進捗状況と評価、社会・経済等の変化を踏まえた部分的な見直しとする。計画期間は18~27年度の10年間。
基本目標には、省エネや自然エネルギーの有効活用、豊かな自然環境の保全と継承、周辺環境に配慮した農林業の推進、4Rの推進による環境負荷の少ない循環型社会の構築、市民・事業者・市が一体となった環境保全活動の推進などを掲げ、これを達成するための施策の方向性や具体的な取組内容、成果指標を示した。
一方、地域再生可能エネルギービジョンの素案は、再生可能エネルギーを巡る国や県の動向を踏まえ、社会情勢の変化に対応しつつ、豊かな自然環境と調和した再生可能エネルギー導入の基本方針と位置付ける。ビジョンの推進期間は30年度まで。低炭素社会の実現を目指し、地域活性化や市民生活の向上にも繋げる。
素案では、自然環境などの地理的特性や社会的特性、再生可能エネルギーの導入可能性(賦存量・利用可能量)、市内のエネルギー消費量の推移を踏まえ、市特有の資源である地熱の導入を主軸として特に推進するとした。民間事業者と連携して地熱発電を導入し、発電後の熱エネルギーを地域内で活用するイメージも示した。
このほか、湧水をはじめとする水資源が親しまれていることや市内で畜産業が盛んであることなどを踏まえ、小水力やバイオマス、風力発電の導入イメージ、導入促進に向けた取り組み、地域への波及効果、導入に向けた課題を示した。これらの導入を積極的に支援する一方、開発に関しては周辺環境に配慮するとした。
ビジョンの推進に向けて、庁内で連絡調整会議等を開催し、横断的な推進体制を整備するとともに、学識経験者や関係団体、市民等で構成する審議会に取り組みの進捗状況や実績を報告し、必要な助言・提言を受け、施策に反映させる。市民や事業者に情報提供を行い、再生可能エネルギーの導入事業者に対して後方支援を行う。