▲現地配置案のイメージ、中央公園案のイメージ
新庁舎建設に向けて基本構想の策定作業を進めている宮崎市は、11月18日に開催した市議会全員協議会に基本構想の検討資料を示した。新庁舎の規模を4万1000m2程度とし、現地での建て替え4案と宮崎中央公園への移転2案の配置案6案を検討している。今後、議員や市民の意見、庁内での検討内容を踏まえ、今年度内に建設場所を決定する。
防災拠点としての機能確保など、現庁舎が抱える課題を踏まえ、市は庁舎を建て替えで整備することを決定。新庁舎の建設場所に関しては、市民らでつくる検討会の報告や市議会からの提言を踏まえ、防災・利便性・まちづくりなどの観点から、現在地での建て替えと、市有地・国有地を活用して宮崎中央公園に移転する案を示していた。
今会合で示した検討資料によると、現庁舎の面積や新庁舎で働く職員数、同規模の他自治体に於ける新庁舎の動向、DX化に伴うテレワーク率などを踏まえ、新庁舎が備えるべき規模を4万1000m2程度と設定。現地建替と宮崎中央公園への移転のいずれのパターンも、航空法の制限等を踏まえ、新庁舎の階数を12階と設定した。
配置案に関しては、現地建替4案と宮崎中央公園への移転2案の合計6案を検討している。
現地建替のうち配置案①と配置案②は、敷地西側に庁舎2棟(1期棟=約1万1000m2、2期棟=約3万m2)を建設し、配置案①では松橋駐車場に立体駐車場を、配置案②では本庁舎跡地に立体駐車場をそれぞれ整備する。事業完了までに7~7・5年を要する計算で、2期棟の運用開始は最短で31~32年を見込む。
同じく配置案③は、敷地東側の橘公園を一時的に廃止し、公園跡地に庁舎2棟(1期棟=約1万2000m2、2期棟=約2万9000m2)を建設。第2庁舎を解体した跡地に立体駐車場を整備し、代替公園を敷地西側に整備する。事業完了までに7・5年を要する計算で、2期棟の運用開始は最短で31年を見込む。
同じく配置案④は、敷地西側に庁舎1棟(4万1000m2)を建設し、解体後の本庁舎跡地に立体駐車場を整備するもの。新庁舎の運用開始までに5年、事業完了までに7年を要する計算で、庁舎の運用開始は最短で31年を見込む。この案では仮設庁舎(5400m2)が必要となり、仮設庁舎の利用期間は約4年を想定する。
一方、宮崎中央公園の配置案は、敷地北側に東西に長く敷地を確保する配置案⑤と、敷地西側に南北に長く敷地を確保する配置案⑥を検討する。確保した敷地に新庁舎(約4万1000m2)を建設し、それぞれ立体駐車場を整備する。事業完了及び庁舎運用開始までに4年を要し、新庁舎の運用開始は最短で30年を見込む。
配置案を基に試算した新庁舎の建設費は218億円~237億円。これに立体駐車場や敷地嵩上、外構整備、既存解体、設計・監理(13億2000万円)等を含めた概算事業費は、配置案①と②が約297・5億円、配置案③が約303・6億円、配置案④が319・2億円、配置案⑤が333・6億円、配置案⑥が341・2億円となる。
会議ではこのほか、市民の利便性や防災拠点性、まちづくりへの影響、事業の迅速性・実現性、トータルコストの観点を踏まえた各配置案のメリット・デメリットの比較検討表も提示。新庁舎建設に伴い、周辺交通への影響を懸念する意見が寄せられていることから、付近の交差点や周辺道路で検討している対策案なども説明した。
市は、会議で説明した検討資料をホームページ(ホーム>市政情報>新庁舎)で公開している。
《検討資料の一部》