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仕事の魅力や最新技術など紹介 宮崎大学で出前講座開講

      

▲写真は出前講座の模様

 宮崎県宮崎土木事務所は11月11日、宮崎大学工学科土木環境工学プログラムの学生を対象とした出前講座を開講した。宮崎地区建設業協会と一般社団法人宮崎県測量設計業協会、株式会社コマツレンタル宮崎が共催し、発注者・受注者のそれぞれの立場から仕事の内容や魅力を説明したほか、現場で活用されている最新技術も紹介した。

 出前講座は、土木を学ぶ学生を対象に、建設業への理解と興味を深めてもらい、最新の技術や県内企業の魅力を知ってもらおうと開催しているもの。「公務員の魅力」をテーマに講話を行った宮崎土木事務所の担当者は、県民のニーズを把握し、優先順位を決めて予算を要望し、議会の承認を得て事業に着手する公共事業の流れを説明した。

 仕事の魅力には、大きなプロジェクトや県民の安全・安心に携われることを挙げ、広瀬バイパスやJR宮崎駅西口駅前広場、総合運動公園の津波避難施設といった事例を紹介。社会人としての心構えには、チームで取り組むために必要な協調性や、自分の考えをしっかりと持つこと、相談できる仲間をつくること、あきらめないことを挙げた。

 コマツレンタル宮崎の大元健一氏は、建設現場の生産性向上を目的に取り組んでいるi-Constructionについて説明。最新のドローンによる3次元測量や3次元設計データの作成、手間を削減し、高精度かつ安全に施工できるICT建機のメリットなどを紹介し、建設機械の完全自動・自律化を目指していることを説明した。

 宮崎県測量設計業協会の野尻周男理事は、社会資本整備に係る全てのプロセスに建設コンサルタントが関わっていることや、基準・予算・現場条件・要望等に応じて成果物をまとめるオーダーメイドであることを紹介。道路の2車線化事業を例に、経済性や施工性、安全性のほか、CIM等を活用して整備手法を提示していることを説明した。

 また、宮崎地区建設業協会の川浦幸治理事は、建設ビジネスの仕組みやゼネコンと専門工事会社、技術者と技能者の違いのほか、大手ゼネコンと地方ゼネコンでは仕事の規模が異なるが、内容的に大差はないことなどを説明。施工管理を行う上で、現場に携わる作業員等をまとめるためのコミュニケーション能力が求められることを強調した。

 説明後には、公務員・建設業・建設コンサルタントの3つの班に分かれて、講師と学生によるグループ討議を実施。コンサルグループでは、協会の吉田一路副会長や前田慎介理事が、土木は経験工学であり経験がモノをいう世界であること、技術士などの資格を取得することで、できる仕事の内容や職場での待遇が大きく変わることを説明した。