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ESCO視野に省エネ改修を計画 養護老人ホーム慈敬園

 小林市は、既存設備の不具合やカーボンニュートラルに向けた一層のエネルギー削減などを背景に、養護老人ホーム慈敬園の省エネ改修を計画する。省エネ改修費用を光熱水費の削減分で賄うESCO(Energy Service Company)事業の活用も視野に、2023年度に整備プランをまとめ、24年度の着工を想定する。

 10月19日に開かれた宮崎県・地域PPPプラットフォームのセミナーで、市の担当者が事業の概要や現時点での考え方などを説明した。

 養護老人ホーム慈敬園は1950年に開設。73年に移転新築し、2006年に現在地(小林市駅南296番地)に再度新築移転した。06年から社会福祉法人コスモス会が指定管理を行い、07年からは、外部サービス利用型特定施設入居者生活介護の指定を受け、入所しながら様々な外部の在宅サービスが利用できるようにしている。

 既存施設の建築概要は、鉄筋コンクリート造2階建で、建築面積が2571m2、延床面積が3680m2(1階2372m2、2階1308m2)。居室は、養護老人ホーム居室が50室、短期入所生活介護室(ショートステイ)3室となっている。今後の改修周期として、2030年代に大規模改修、2050年代に長寿命化を想定している。

 既存設備は、GHPマルチ室外ユニットが4組(1階居室南・北系統、2階居室南・北系統)、これに伴うマルチエアコン室内機が合計60台、給湯ボイラーが1組、電気温水器が4台。施設の運営に際して、現在使用しているGHPエアコンの製造停止に伴う部品供給不可や給湯設備の調整に関する不具合といった課題を抱える。

 一方で、市役所及び指定管理者の双方にエネルギー管理や経営管理、施設維持管理を統合して実施できる人材が欠如しており、カーボンニュートラルに向けた一層のエネルギー削減や、エネルギー価格高騰による経営圧迫を回避するため、エネルギー・ファシリティ・プロパティマネジメントを統合する仕組みの構築が急務となっている。

 改修事業に関しては、市の投資額が高額になる一方、エネルギー削減額が大きく、指定管理者にとって施設の経営基盤の強化に大きく寄与する「ZEB化」と、投資額が割安な一方、エネルギー削減額が低くなり、指定管理者にとって経営基盤強化への寄与度が低くなる「空調設備・給湯設備のみ改修」の2つのシナリオを想定する。

 19日に行われたセミナーでは、市の担当者が既存施設の概要やこうした改修事業の考え方、施設経営の課題を示した上で、ESCO事業の成立可能性や仮に成立する場合の契約方式、投資額を1億、事業期間を9年と仮定した場合のESCO事業の全サービス料想定額、ESCO以外のPFI事業スキームについて意見を交わした。