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宮崎大会に建設若人集結、絆深める 宮崎建協青年部連合会

      

▲写真は挨拶する金丸部会長、大会の模様

 県内11地区の建設業協会青年部で組織する宮崎県建設業協会青年部連合会(金丸誠悟部会長)は、宮崎市内で第34回青年部連合会の「宮崎大会」を開催した。式典や基調講演・講話、大会宣言、懇親会を通じて、各地から集った次代を担う建設若人が絆を深めつつ、地域の安全・安心の確保といった建設業の責務を全うしていくことを誓った。

 新型コロナウイルス感染症の影響で3年ぶりの開催となった今大会には、各地区の青年部員や来賓ら約200人が参加。大会スローガンには、「未来へつなぐ同志の想い」~我々の行動・選択が次世代の建設業を創る~を掲げた。

 主催者・主管者挨拶で金丸部会長は、頻発・激甚化する災害対策の最前線で、建設業が地域の守り手として、また、社会資本整備の担い手として精進していると強調。先人が築いた宮崎の建設業を次世代へ橋渡しできるよう、諸課題に正面から立ち向かい、行動を起こすことで、将来の建設業を少しでも良くしていきたいと述べた。

 また、二年前の台風に伴う大雨で犠牲となった青年部の同志・相生泰孝さんを偲び、「相生さんの想いを後世に伝えていけるよう努め、建設業に携わる者として、このような悲しい災害が起こらないよう防災インフラの拡充も訴えていきたい」とした。

 金丸部会長は続けて、「地域とともに歩む建設業を目指し、希望ある建設業を創生することが、新型コロナウイルス感染症の影響で疲弊した地域の活性化に繋がると確信し、日々、前へ進んでいきたい」と力強く意気込みを語った。

 来賓祝辞で河野俊嗣知事の挨拶を代読した永山寛理副知事は、本県発展の礎となる社会資本の整備や災害対応など、建設産業が地域の守り手として重要な役割を果たしていると指摘。「ふるさとに誇りと愛着を持つ皆様方の献身的な活動が、建設産業のみならず、県全体の活性化に繋がっていくことを期待している」と述べた。

 宮崎県議会の中野一則議長は、組織を維持していくことの難しさについて言及。自身の経験を踏まえ、建設業界を取り巻く厳しい環境に立ち向かうため、技術だけでなく経営面の研鑽にも努めてもらいたいと呼び掛けた。

 宮崎県建設業協会の藤元建二会長は、「青年部の発展無くして、建設業の発展はない」と述べ、「地域の守り手として使命感を持ち、地域の安全・安心の確保に努めてもらいたい」「明日の建設業を担う若い人達に希望ある将来を託すためにも、その先陣をきって切り拓いてもらいたい」と期待を込めた。

 式典ではこのほか、2018・19年度と20・21年度の各地区の青年部長に感謝状を贈呈。部長を代表して、青年部連合会の部会長を務めた児玉昌也氏と川口隆二氏に、金丸部会長が感謝状と記念品を手渡した。

 大会宣言で宮崎大会実行委員長の本部祐典氏は、今大会のテーマを踏まえ、「地域の守り手として郷土愛を持ち、建設業の存在意義や魅力、誇りを外部に発信し続ける」「若手従事者の教育・育成・技術の継承に労を惜しまず尽力し続ける」「魅力あふれる建設業への改革・発展に挑戦し続ける」と青年部の決意を語った。

 大会ではこのほか、次回大会を都城地区で開催することも発表した。

■大石氏が特別講演、施工性向上で講話

 特別講演では、一般社団法人全日本建設技術協会会長で、国土学総合研究所所長の大石久和氏が「転落の日本を救うインフラと財政の正しい認識」をテーマに講話を行った。我が国に於けるインフラ整備や財政再建至上主義の問題点などを指摘し、アメリカやイギリス、ドイツといった世界各国のインフラ整備に関する認識と比較した。

 大石氏は、日本を再興するための処方箋を提示。GDPや税収の推移を示しつつ、「経済成長なくして財政再建なし」とした上で、国債が次世代へのツケではないこと、経済成長や環境改善、公平性の拡大を考慮したインフラ整備の評価手法、内需拡大の必要性などを訴え、「宮崎からも大きな声をあげてもらいたい」と呼び掛けた。

 講話を行った日向地区建設業協会青年部施工性向上委員会の寺原多加広委員長は、二年前の台風で犠牲となった相生泰孝さんが被災直前、宮崎県向土木事務所の職員とともに作成していた資料を示しながら、「施工性向上」「若手技術者の育成」「地産地消」をキーワードとする、将来の担い手確保に向けた宮崎モデルを紹介。

 発注者と設計コンサルタント業者、土木業者が施工性向上の意思を早期に共有し、現場の手戻りや労働環境の改善を図るとともに、マスコミや教育機関、地域との連携を強化して建設業の地位向上を図り、これを担い手の確保に繋げる仕組みを解説しながら、持続可能な地域の創生や魅力ある土木業界を目指していこうと訴えた。