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飛躍と発展へ意を新たに、50周年記念式典 舗装協会

      

▲写真は挨拶する河野会長、永山副知事、記念式典の模様

 宮崎県舗装協会(河野孝夫会長)は10月12日、宮崎市内で協会創立50周年の記念式典や祝賀会等を開いた。多数の協会員に加え、宮崎県の永山寛理副知事や国土交通省九州地方整備局延岡河川国道事務所の麻生宏斉所長ら多数の来賓が出席。創立50周年の節目を祝い、協会及び会員企業の更なる飛躍と発展に向けて決意を新たにした。

 宮崎県舗装協会は、1972年(昭和47年)7月26日に宮崎県舗装工業会として発足。以来、舗装技術の向上や施工の合理化に関する調査研究、関係官公庁等に対する陳情・要望活動、担い手の確保・育成のための出前講座、会員相互の協調・親睦を目的とした各種事業などに取り組んでいる。今年10月時点の会員数は45社。

 挨拶で河野会長は、協会が歩んできた50年の歴史を紐解きながら、同業者の信頼や人間関係を和やかにするために尽力した先人の努力に敬意を示すとともに、会の運営に対する協会理事及び顧問、事務局員をはじめ、会員各位の協力に感謝の言葉を述べた。

 続けて、性急な入札制度改革に翻弄された2007年の会長就任当時、官製談合事件の影響で建設業全体に不名誉な悪のレッテルが貼られ、逆風の時代であったことを説明。一方で、「そのような状況下だからこそ、協会員としてのメリットや舗装業にしかできない特殊技能、舗装業のあるべき姿を考えさせられた」と当時を振り返った。

 その上で、特殊工法協会として、宮崎県港湾漁港建設協会及び宮崎県法面保護協会と防災協定を締結したことを説明。高齢化や人手不足といった業界の課題に言及し、「今こそICTを駆使した現場環境の改善やBIM・CIMによる働き方改革に挑戦しなければならない」と述べ、新たな舗装工事業に変貌すべく知恵を絞る考えを示した。

 河野会長は、「舗装機械を有する、オペレーターを育成できる、資格者を有する、舗装工事を自前で完遂できる本物の舗装業者が宮崎県舗装業協会」であり、「舗装業者として宮崎県のインフラを守るのは我々をおいてほかにはない」とした上で、「協会発展のため、協会員の役に立てるよう粉骨砕身する」と意気込みを語った。

 来賓祝辞で河野俊嗣知事の挨拶を代読した永山副知事は、人流・物流の多くを道路交通に依存している本県に於いて、災害に強い道路ネットワークの構築やインフラの老朽化対策が喫緊の課題であると指摘。道路整備に必要となる財源の確保や建設産業の育成に向けた環境整備に取り組む考えを示し、引き続きの支援と協力を求めた。

 宮崎県議会の中野一則議長は、自身の思い出をたどりながら、この50年間に於ける舗装技術の進歩について言及。延岡河川国道事務所の麻生所長は、「建設業界の更なる発展や地域の振興、安心・安全な道路保全を図るためにも皆様の力添えが必要」と述べ、技術力の向上や施工の合理化に対して理解と協力を求めた。

 一般社団法人宮崎県建設業協会の藤元建二会長の挨拶を代読した本部喜好副会長は、建設業が直面する課題に真摯に取り組む協会の活動に対して敬意を示すとともに、「担い手の確保・育成や労働環境の改善を進めるため、給与・休暇・希望の新3Kの実現に向けて、私どもと力を合わせて取り組んでいこう」と呼び掛けた。

 写真家の山崎エリナ氏による記念講演後には、会場を移して祝賀会を開催。感染症対策を講じたうえで、福岡大学工学部の佐藤研一教授やアスファルト合材協会九州地方連絡協議会の田中隆臣会長による祝辞、宮崎県県土整備部の西田員敏部長による乾杯発声、国立研究開発法人土木研究所の久保和幸氏による万歳三唱などが行われた。

■山崎エリナ氏が記念講演

 記念講演では、道路保全など建設業のインフラメンテナンスの現場での撮影活動が国の「インフラメンテナンス大賞」の受賞につながった写真家・山崎エリナ氏を講師に招き、「写真から見た現場の魅力~感動から感謝へ~」をテーマに講話を行った。

 世界40カ国以上を訪れ、街や自然、人の姿を写していた山崎氏は、「インフラメンテナンスの現場に光を当てたい」と考えた建設会社の依頼に応え、建設現場を撮影するに至った経緯を説明。初めて訪ねた現場では除草作業が行われており、除草作業に合わせて飛散防止ネットを移動させるなどの連係プレーに感動したことを紹介した。

 その後も数々の建設現場を訪ね、現場で働く人達のひたむきな姿や細やかな作業と技術、巧みな連携作業、不眠不休での災害対応、大変な環境でも笑顔であることなど、「現場の魅力や感じた思いを伝えたい」と考え、インフラメンテナンスをテーマとした写真集を出版し、展示会等で一般から大きな反応があったことなどを紹介した。

 山崎氏は、写真が建設業の大切さを知ってもらう一つのツールになるとして、実際に写真集を見た子どもが建設業に入職したエピソードも披露。地域の暮らしや道路の安全を守る建設業に感謝し、「建設業の魅力と思いを異業種の視点で伝えていきたい」と話した。