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ICT技術活用推進で業務提携 旭建設(日向)とFOF(宮崎)

      

▲写真は締結式の模様、挨拶する黒木社長、児玉社長

 総合建設業の旭建設株式会社(黒木繁人代表取締役社長、日向市)と、構造物の点検や補修設計を手掛ける株式会社FOF(児玉玲子代表取締役、宮崎市)は、ICT技術の活用推進に向けた業務提携を結んだ。両社が保有する強みを融合させることで、双方の技術力や生産性の向上を図るとともに、モデルケースとして広く発信していく。

 深刻な人手不足や従事者の高齢化が大きな課題となっている建設産業に於いて、更なる生産性の向上や働き方改革の推進を図るためには、ICT技術の導入をはじめとする企業のデジタル・トランスフォーメーション(DX)が必要不可欠となっている。

 こうした社会的課題に対応するため、旭建設では土工や舗装工、地盤改良工、法面工でICT施工を積極的に推進するとともに、土木系学科の高校生を対象とした出前講座を開催するなど、人材育成にも注力。FOFは、橋梁等の定期点検や補修設計で行う現地踏査をVR化したサービスを提供するなど、業務の効率化に力を入れている。

 今回の業務提携では、両社が互いのフィールドで推進するこうしたICT技術の強みを融合させることで、インフラ分野のデジタル化・スマート化に対する技術力の強化、共同での研究開発による新たなイノベーションの構築を図ると同時に、県レベルでの建設DXの推進、地域にとって安心・安全な社会基盤づくりに貢献していく。

 具体的には、▽ICT施工や3次元データ、VR技術等に関する勉強会・研修会の開催▽現場フィールドの提供やICT活用サポートを通じた新たなイノベーション及び技術開発の促進▽相互からの工法検討やICT活用等に対する助言・提案▽ICT技術を活用した災害対応▽ICT技術の活用に資する活動―に協力して取り組む。

 1月20日に宮崎市内で行われた調印式では、両社の事業内容や業務提携の目的・概要について説明があり、黒木社長と児玉社長が署名・押印した書面を取り交わした。

 挨拶で黒木社長は、「建設分野のDXが加速化する中、デジタル化やICTは欠かせない要件。こうしたツールを活用しながら、地域に安全・安心な暮らしを提供していくことが建設業の使命」であると強調。また、今回の業務提携が他社の刺激にもなるとした上で、「本県がデジタル化の先進県になることを期待する」と述べた。

 一方、宮崎市と商工会議所のスタートアップハブを活用して、個人で創業した児玉社長は、女性でもできる建設業を目指し、そのために必須となるデジタル化に注力していることを説明。今回の業務提携でICT技術の更なる活用を図り、「女性や若年層でも現場の生産性向上ができることを宮崎から発信していきたい」と意気込んだ。