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3か年緊急対策、河道掘削土量は約200万m3 宮崎県

 宮崎県は、県内河川事業における「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」の実施状況をまとめた。洪水時の危険性に関する緊急対策として158河川で河道掘削・樹木伐採(掘削土量約200万m3)を実施したほか、4河川の堤防強化(対策延長6750m)、7河川の堤防整備(対策延長2000m)などに取り組んだ。

 全国各地で頻発する豪雨や台風、地震等の甚大な自然災害を踏まえ、防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策では、「防災のための重要インフラ等の機能維持」と「国民経済・生活を支える重要インフラ等の機能維持」の観点から、18~20年度の3年間で、特に緊急に実施すべきハード・ソフト対策を集中的に実施した。

 宮崎県の河川事業における緊急対策の実施状況は、掘削・樹木伐採が158河川(掘削土量約200万m3)、堤防強化が4河川(対策延長6750m)、堤防整備等が7河川(対策延長2000m)。このほか、河川情報の提供方法・手段等に関する緊急対策として、河川ソフト対策(35箇所)やダムソフト対策(10箇所)を実施した。

 このうち、串間市の市木川流域では、過去に浸水被害の大きかった支川合流点付近を中心に樹木伐採や河道掘削を実施。20年7月豪雨では、12年6月出水を上回る雨量を観測したが、古都橋水位観測所地点での水位が約30㎝低減し、12年6月出水で13戸だった家屋浸水被害がゼロになるなど、氾濫の危険性を概ね解消した。

 堤防決壊時の危険性に関する緊急対策では、バックウォータ現象等により氾濫した場合の湛水深等の緊急点検を行い、甚大な人命被害等が生じる恐れのある区間を有する河川で、堤防強化対策や堤防嵩上げ等の緊急対策を実施。このうち、大淀川水系の有水川では、堤防決壊までの時間を引き延ばすため、堤防の法尻強化対策を講じた。

 一方、五ヶ瀬川水系五ヶ瀬川では、1993年、97年に甚大な浸水被害が発生したことから、同規模の洪水から家屋の浸水被害を防ぐため、土地利用一体型水防災事業として、住宅地の嵩上げや集落を堤防で囲む輪中堤を整備した。

 河川ソフト対策では、従来の水位計や河川監視カメラに加え、危機管理型水位計(38箇所)や簡易型監視カメラ(84箇所)を設置し、河川情報の空白地帯の解消を図った。ダムソフト対策では、異常洪水時防災操作時におけるダム放流警報の確実な実施に向けて、浸水想定区域にある警報設備の耐水化(嵩上げ)を行った。