建設ネット企画画像 四角 四角

五ヶ瀬町役場新庁舎が完成 テープカットや記念式典で祝う

      

▲写真は挨拶する原田町長、テープカット、式典の模様

 五ヶ瀬町が整備を進めていた役場新庁舎が完成し、9月10日に現地で竣工祭と記念式典を行った。マスクの着用や手指の消毒など、新型コロナウイルス感染症対策を講じたうえで、原田俊平町長や町議会の甲斐政國議長、新庁舎の設計・施工を請け負った事業者の代表ら約40人が参加。神事やテープカット、式典を通じて新庁舎の完成を祝った。

 旧庁舎は建設から49年が経過。建物や設備の老朽化に加え、バリアフリー対策など様々な課題を抱えていた。東日本大震災や熊本地震で、被災地の一部の庁舎が倒壊・損傷し、行政機能が寸断されたことから、町民サービスや行政効率の向上のため、また、災害対応の拠点として、新庁舎建設は町が早急に取り組むべき課題となっていた。

 新庁舎は、これらの課題を解消すると同時に、町のラウンドマークとしての存在感を発揮できるよう、計画段階から機能性や利便性、安全性、経済性など多角的な視点で議論を重ね、旧駐車場及び教育委員会棟の跡地に完成させた。新庁舎の構造・規模は、鉄筋コンクリート造一部鉄骨造で地上3階建、延床面積3313m2。架構形式は、耐震壁・ブレース付きラーメン構造。

 新庁舎のコンセプトは「まちにつながり、人が集まる庁舎」。行政機能の集約化やバリアフリー化、耐震化、災害対応の拠点化など、必要な機能を再整備するとともに、「町民に開かれた誰もが使いやすい庁舎」などの5つの理念を踏まえ、まちにつながり、人が集まってきやすい場、誰もが気軽に立ち寄ることができる庁舎を目指した。

 新庁舎には、1階に窓口機能、2階に執務機能、3階に議会機能を配置。窓口サービスに於ける利便性の向上、ICTに対応した機能的な執務環境を実現するとともに、町民が利用しやすいよう、ユニバーサルデザインや自然彩光に配慮した景観を採用し、3階にはテラスを設けて、交流の場・賑わいの場として利用できるようにした。

 10日に現地で行われた記念式典で挨拶した原田町長は、こうした新庁舎建設に至る経緯や新庁舎が目指した姿などを説明。新庁舎建設検討委員会をはじめとする多くの町民や新庁舎建設調査検討特別委員会を設置した町議会、設計・監理、施工を請け負った事業者及び協力業者の惜しみない尽力に対して、深く感謝の意を示した。

 その上で、「本日、新庁舎の落成にあたり、質の高い町民サービスの実現を目指し、職員一丸となって町民の期待に応えられるよう、全身全霊を傾けることをあらためて決意している。新庁舎の誕生が、仕事の質や能力を向上させるとともに、町の活気ある発展につながるよう、全力を投入することをここに宣言する」と述べた。

 また、町議会の甲斐議長は、町産材をふんだんに活用した新庁舎が、町の防災拠点であると同時に、ユニバーサルデザインに対応し、誰もが安心して利用できる開かれた町のシンボルであること、町民が気軽に来庁できる庁舎となったことを歓迎。「町民のための庁舎として、その機能を十分に発揮することを祈念する」と期待を込めた。

 宮崎信雄副町長による経過報告や来賓紹介、祝電披露が行われたのち、設計・施工業者に感謝状を贈呈。卓越した技術で新庁舎の基本・実施設計、工事監理を完遂した株式会社石本建築事務所、同じく無事故・無災害で工期内に完成させた株式会社志多組と株式会社矢野興業の特定建設工事共同企業体に、原田町長から感謝状が贈られた。