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今年度から設計業務に着手 東郷診療所基本計画案

 日向市は、市立東郷診療所の具体的な整備内容や部門別計画などを示した「日向市立東郷診療所整備基本計画案」をまとめ、ホームページで公開した。敷地内に新たに整備する診療所の想定規模を延床面積500m2程度、これを踏まえた概算事業費を約4・7億円とするイメージや、24年度の供用開始に向けた事業スケジュールを示した。

 東郷病院に関しては、東郷地域に於いて安定的に医療を提供していくことが重要であるとの認識のもと、2021年4月から無床診療所へ運営形態を移行する方針を示している。また、現在の建物は竣工から46年が経過し、老朽化していることに加え、耐震性にも課題があることから、施設・設備ともに早急な整備が求められている。

 こういった現状や課題を踏まえ、市は有識者や市民の代表らで構成する検討委員会を発足。現状の課題整理を行い、新たな施設の整備に向けた基本構想を21年3月に策定した。今回、基本構想で示した今後の取組や新診療所整備の基本的な方針を踏まえ、新診療所の具体的な整備内容や部門別計画などを基本計画案としてまとめた。

 新診療所の基本コンセプトには、「地域に根ざし、医療、保健、福祉、介護の架け橋となる診療所」を掲げ、①誰もが安心して利用できるやさしい診療所②地域に寄り添う診療所③健康増進の拠点となる診療所ーを目指す。診療体制は、東郷地域の医療需要を踏まえ、内科・整形外科・リハビリテーション科の3科を基本とする。

 新たな診療所は、現診療所の敷地内に建て替える計画とし、現施設で診療を継続しながら整備を行い、新診療所建設の後に現施設を解体して駐車場を整備する。新診療所の想定建物は、基本構想で掲げた鉄骨造平屋建500m2程度とし、具体的な構造や面積は基本設計の中で決定する。駐車場は30台程度を確保する予定でいる。

 受変電設備は屋外に設置し、隣接するやすらぎ館にも電源を低圧で供給。 維持管理費等の抑制を図るため、省エネルギー性能に配慮し、照明はLED型する。空調設備は、省エネルギー性や維持管理・更新コストの低減を考慮した設備する。感染症対策やセキュリティ・防災・保安対策にも考慮した設備の導入を計画する。

 診療所の医療機能の維持・強化を図るため、現在の医療機器に加え、新たにCTや骨密度測定装置にも導入する考え。今後、具体的な仕様や調達時期、移設の可否等を検討する。また、医療の高度化への対応や業務の効率化、患者の待ち時間低減を図るため、電子カルテも導入する予定でいる。

 整備手法に関しては、早期の施設整備が必要であることから、一般的な設計・施工分離発注方式を採用。建築・電気・機械(空調・衛生)に分離し、各施工者を選定する。21年度第2四半期~第4四半期に基本設計、21年度第4四半期~22年度第3四半期に実施設計、23年度に建設工事を行い、24年度の供用開始を目指す。

 想定面積を基に試算した概算事業費は約4億7700万円。内訳は、設計・調査費(基本設計・実施設計・工事監理・地質調査)が約2800万円、本体工事費(建築・電気・機械)が約2億9500万円、付帯工事費(駐車場整備・外構工事・現施設解体工事)が約5300万円、医療機器等整備費が約9800万円などを見込む。

 基本計画案は市のホームページや東郷診療所、細島・岩脇・美々津の各支所で公開し、市内居住者などを対象に6月24日まで意見を募集している。

日向市立東郷診療所整備基本計画案