延岡市は、城山公園(延岡城跡)再整備に向けた「城山公園Park-PFI」の事業概要案を公表した。民間事業者が収益施設や公共施設としての広場・園路等を一体的に整備し、「市民が集まる公園」「観光客を呼び寄せる公園」として整備する。事業概要案はホームページ等で公開し、9月28日まで意見を募集する。
Park-PFIは、2017年4月に成立した改正都市公園法に盛り込まれた。都市公園を管理する地方自治体等は、公園内の飲食店や売店等の公園施設を設置・管理する民間事業者を公募で選定。事業者は設置する施設で得られる収益を公園整備に還元する。近年では、老朽化した都市公園の再生等に活用する自治体も多い。
現時点で市が想定する公募対象公園施設は、飲み物や軽食を提供できるカフェなどの便益施設。施設は古民家風の木造建築とし、店舗面積は200m2程度を想定する。内装には旧後藤邸の材料を可能な範囲で使用するとともに、店舗内に延岡市の観光案内パンフレットや資料を常設展示するフリースペースを設けることを求める。
一方、整備を求める特定公園施設は、四阿1基及び駐車場の増設。四阿の屋上に太陽光発電装置、内部にはテーブル1基及びベンチ4基を設置し、テーブル及びベンチは防災グッズを収納できる仕様とする。また、施設整備配置案に明示してある範囲内に20台程度の駐車桝を設ける。特定公園施設の整備費用は全額事業者負担とする。
公園の魅力アップや賑わい向上、集客につながるよう、民間事業者のノウハウを活用した幅広い提案を求める。延岡城跡や周辺環境に調和するデザインとし、公募対象公園施設は公園利用者や歩行者の安全確保を最優先とする。都市計画法及び建築基準法等の関係法令、ユニバーサルデザインのガイドラインを遵守することも求める。
応募できる事業者に関しては、宮崎県内の法人または法人グループとする方針。経営形態がフランチャイズ店としての応募も認める。事業者の選定に際しては、有識者や住民代表、公募委員を合わせた15人程度で組織する「城山公園Park-PFI設置等予定者選定委員会」で提案内容を総合的に評価して、事業者を決定する。
今後のスケジュールは、▽2021年9月=パブリックコメントの実施▽同年12月=パブリックコメントの結果を踏まえたサウンディング調査▽22年4月~6月=民間事業者の公募▽同年8月=選定委員会の開催、民間事業者の決定▽同年12月~=店舗及び公園施設の整備工事▽23年4月=店舗の営業開始―を予定する。
《事業概要案》