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ICT活用工事、131件で66社に施工実績 宮崎県

 建設現場の生産性向上などを目的としたICT活用工事に関して、宮崎県は2021年度から、従来の土工に加えて新たに「舗装工」を試行の対象にするとともに、起工測量から電子納品までの各段階に於いて、3次元データの部分的な活用を認める「簡易型ICT活用工事(土工・舗装工)」の試行を開始した。

 県のICT活用工事は、土工量1万m3以上の工事を対象に、発注者指定型で17年度に試行を開始。18~19年度は、予定価格3000万円以上の土工を含む土木一式工事を対象に、土工量1万m3以上を発注者指定型、同1万m3未満を施工者希望型として発注。20年度には、予定価格1500万円以上まで対象を拡大した。

 県内企業の取組実績をみると、17年度の実施件数は2件(新規実績業者数2社)、18年度は36件(26社)、19年度は38件(17社)、20年度は55件(21社)。全体の実施件数は131件で、実績業者数は66社となった。ランク別に見た実績件数の内訳は、特A級が85件、A級が36件、B級が10件となっている。

 21年度から試行するICT舗装工では、レーザースキャナ等で面的な事前測量を行い、3次元設計データと事前測量結果の差分から施工量を自動算出するなどして設計・施工計画を立案。3次元設計データ等に基づき、ICT建設機械で施工を行い、レーザースキャナ等のデータを用いて検査の省力化を図る。

 一方、従来のICT活用工事では、①3次元起工測量②3次元設計データ作成③ICT建機による施工④3次元出来形管理等の施工管理⑤3次元データの納品―の全ての段階で3次元データの活用を必須としているが、簡易型ICT活用工事では、これを部分的に活用することを認める(ただし②④⑤は必須)。

 ICT活用工事(舗装工)と、簡易型ICT活用工事を追加したICT活用工事(土工)の試行要領は、宮崎県のホームページで確認できる。