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賑わい創出や地域振興など評価 宮崎県プール整備運営事業

 宮崎県は6月29日、プール整備運営事業に係る審査講評及びPFI事業者選定に関する客観的な評価結果を公表した。審査講評では、事業者に選定された鹿島建設グループの提案に関して、宮崎駅周辺という場所に求められる機能を考慮している点や、プールを核にした多様な施設展開で、賑わいや地域振興を図っている点が評価された。

 本県開催の国民スポーツ大会及び全国障害者スポーツ大会に向けて、宮崎市錦本町の県有グラウンドに大規模な公式大会が開催可能な屋内プール施設を整備するもの。事業ではこのほか、敷地内の余剰地を活用して、独立採算事業として民間収益施設をプールと一体的に整備し、その運営・維持管理を行う提案も求めた。

 鹿島建設グループの提案によると、プール施設の構造はRC造一部SRC造一部S造、階数は地上2階、延床面積は1万3436m2。民間収益施設に関しては、①放送局(事業者=エムアールティ・ミック)②大学・オフィシャルセンター(同=米良電機産業)③メディカル・飲食モール(同=大和リース)―の3施設を提案した。

 審査講評では、鹿島建設グループの提案した事業の実施に際して、確実な資金調達計画や劣後ローン等による追加融資枠の確保、手堅い収支計画などを評価したほか、「宮崎駅周辺という場所に求められる機能を考慮しており、プールを核にした多様な施設展開により、にぎわいや地域振興を図っている」などと評価。

 また、施設整備に関する評価では、シンボリックさを強調した屋根形状や県産木材を活用した外部デザイン、競技を行いやすい具体的な内部デザイン、信頼性の高い基礎杭の採用や耐震荷重対策等の工夫、歩行・車両動線の工夫のほか、現場の快適環境整備により建設業のイメージアップや担い手確保を図っていることが評価された。

 一方、運営に関する評価では、運営体制が明確化されていることや県民が利用しやすい料金設定であること、託児サービスやスポーツメディカルへの対応を評価。維持管理に関する評価では、統合システムの導入で維持管理情報の共有化が図られること、将来にわたる適切な予防保全に繋がる取り組みが評価された。

 民間収益事業に関する評価では、適切な配置計画でプールとの相乗効果を期待できることや、各収益事業者の財務状況に問題がないこと、資金調達・収支計画の見込みが具体的であること、多様な事業主体による多彩な地域活性化策が提案され、恒常的な人流によるにぎわい創出を期待できることなどを評価した。

 講評では、提案内容を確実に実行するとともに、「プール施設計画に関してドライゾーンとウェットゾーンの交錯への対応を整理すること」「敷地外を含めた周辺地域への交通影響の軽減策や公共交通機関の利用促進策を検討すること」「交通結節点である宮崎駅や中心市街地との回遊性向上策を検討すること」を求めた。

 一方、PFI事業者選定に関する客観的な評価結果では、県が自らプール運営整備事業を実施する場合と、落札者の提案に基づくPFI事業として実施する場合の県の財政支出額を算出した結果、PFI事業として実施することにより、県の財政負担が9.86%(16億3300万円)軽減されることが見込まれるとしている。