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老健施設さざんか苑、事業化検討へ民間対話 宮崎市

 宮崎市は、2022年3月末で廃止する「介護老人保健施設さざんか苑」に関して、今後の事業化の可能性を検討するため、民間事業者を対象としたサウンディング型市場調査を実施する。民間譲渡に向けて調査を進めている当該施設の利活用方法や事業方式について意見・提案を求め、民間事業者のアイデアや市場性の有無を把握する。

 当該施設は、1991年4月に田野町老人保健施設さざんか苑として開設。宮崎市と田野町との合併により06年1月に宮崎市介護老人保健施設さざんか苑となり、15年4月から指定管理者制度を導入した。制度導入で収支改善がみられたものの、経営改善に限界があり、民間代替性が高いことから、22年3月末で廃止することを決定した。

 高齢者人口の増加に伴い、今後も介護需要の増加が見込まれることから、複合的なサービス展開が可能な民間事業者への譲渡を検討している。一方で、民間譲渡を検討している建築物は、隣接する宮崎市立田野病院と一体的に利用され、各種設備も田野病院を経由しており、譲渡時には渡り廊下や各種設備の切り離しが必要となる。

 また、既存建築物は建築後30年を経過し、空調設備及び一部の屋上防水の改修時期を迎えている。設備の切り離しによる電気設備・消防設備・給水設備等の新規整備や老朽化による改修を要する施設の利活用方法及び投資可能額等について確認するため、民間事業者を対象としたサウンディング型市場調査を実施する。

 対象施設の規模はRC造2階建延べ1885m2。1階にデイルーム(和室)や機能訓練室兼レクレーションルーム、通所リハビリテーション食堂、会議室等、2階に療養室4人床12室と2人床1室、食堂・談話室、スタッフステーション等を配置し、エレベータを備え付けている。所在地は宮崎市田野町南原1丁目6番地2。

 民間譲渡に際して、建物については不動産鑑定評価額での売却、土地については定期借地権を設定した賃貸借を想定している。田野病院とさざんか苑を接続している渡り廊下の撤去工事や、共有している各種設備の切り離し工事は市が実施する予定。さざんか苑側の各種設備の新規整備は、譲渡先事業者で実施する。

 事業実施にあたり特に重視する点は「介護老人保健施設の継続」とし、導入を条件としたい機能は「介護保健施設サービスの提供」を基本とする(居宅サービス及び介護予防サービスの提供は任意)。自由提案を求める機能は、介護老人保健施設以外の高齢者施設としての活用などを例に挙げ、これ以外の提案も広く受け付ける。

 サウンディング型市場調査での民間事業者に対する質問事項は、▽施設利活用に関する全体コンセプト▽事業方式・事業スケジュール=①実施予定の介護サービス②収支計画③貸付期間④事業継続年数⑤想定投資額⑥施設基準の達成方法▽電気設備・消防設備・給水設備等の整備計画▽事業推進上の課題・問題点―など。

 調査(個別対話)の対象者は、土地・建物の活用の実施主体となる意向を有する法人または法人のグループ。参加を希望する者は、7月12日~26日に参加申込書を電子メールで提出する。調査は8月2日~20日の希望する時間帯に1時間程度で実施する。7月9日に開催する現地説明会の参加申し込みを7月6日まで受け付ける。

 調査の実施要領や申込書の様式は、宮崎市のホームページで確認できる。参加申し込み及びその他連絡先は、宮崎市健康管理部保健医療課(〒880-0879宮崎市宮崎駅東1丁目6番地2宮崎市保健所4階、電話0985-29-4111、FAX0985-29-5208、メール10soumu@city.miyazaki.miyazaki.jp)。

市場調査の実施要領