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ユネスコエコパーク、北方地区に拠点施設整備 延岡市

 延岡市は、「北方地域ユネスコエコパーク拠点施設整備構想(案)」をまとめ、ホームページで公開した。宮崎県と大分県にまたがる祖母・傾・大崩山系がユネスコエコパークに登録されたことを踏まえ、エコパークを身近に体感できるよう、北方地域にエコパークセンターや宿泊滞在型施設、情報発信・啓発拠点施設を整備することなどを盛り込んだ。

 本県と大分県にまたがる祖母・傾・大崩山系は、急峻な岩峰や数々の渓谷など独特な景観美と原生的な自然といった多様な生態系が評価され、2017年6月に「祖母・傾・大崩ユネスコエコパーク」として登録された。本構想の舞台となる北方町は、大崩山のふもと周辺の上鹿川・下鹿川が緩衝地域に最も近くに位置している。

 ユネスコエコパークでは、▽保存機能▽学術的研究支援▽経済と社会の発展―の3つの機能が相互に強化される関係を維持する必要がある一方、当該地域にはキャンプや登山等で多くの観光客が訪れている。これらの社会的営みを考慮しつつ、本来の目的を達成し、ユネスコエコパークとして継続できるよう、拠点施設を整備する。

 構想案では、核心地域内の大崩山のふもとに位置し、身近にエコパークを体感できる鹿川キャンプ場周辺を「拠点施設」、ロッククライミングの聖地として愛好家の利用も多い比叡山周辺の下鹿川地区を「準拠点施設」、幹線道路に位置する道の駅北方よっちみろ屋を「情報発信・啓発拠点施設」と位置付け、施設の整備方針を示した。

 このうち、拠点施設に関しては、「見る」「調べる」「触れる」「くつろぐ」の4つの機能を有し、展示や映像等コーナー、カフェ・休憩スペース、販売コーナーなどを兼ね備え、来ただけでエコパークの素晴らしさを容易に実感することができる「上鹿川エコパークセンター(仮称)」を鹿川キャンプ場内に整備する。

 これと合わせて、老朽化が進む鹿川キャンプ場の既存施設・設備のリニューアルを含め、利用者のニーズを踏まえた取組や景観に沿った施設等の充実を推進する。今後整備予定の光ファイバーを活用し、新しい生活様式として注目されているワーケーションスペースの整備を推進するほか、周遊ルートの整備にも取り組む。

 一方、準拠点施設に関しては、旧下鹿川小学校の校舎(昭和62年建設、RC造3階建延べ759m2)をリニューアルして、宿泊スペースや調理室・食堂等を整備する。既存の体育館の整備充実も図り、団体利用時のオリエンテーションや室内スポーツ合宿、ボルダリングの初心者体験、雨天時の訓練などに活用できるようにする。

 また、道の駅北方よっちみろ屋に整備する情報発信・啓発拠点施設では、祖母・傾・大崩ユネスコエコパークや上鹿川エコパークセンター、鹿川地域の四季の行事、風景、産業、生活等の仮想・擬似体験を提供するVR体験コーナーのほか、ユネスコエコパーク内の風景や生活文化等を紹介・案内するタッチパネルコーナーを設ける。

 これらの施設整備と合わせて、リーフレットやポスター等、マスコットグッズ、のぼり、マスコミ、ホームページ、観察会、SNS等を通じたユネスコエコパークに人を呼び込むための啓発活動を展開するとともに、スマートフォンで使用する登山アプリなど、ユネスコエコパークを安全に利用するための啓発にも取り組む。

 構想案はホームページや市役所情報公開センター、各総合支所及び支所などで公開し、市内居住者等を対象に7月19日まで意見を募集する。意見の提出先は、北方総合支所地域振興課(〒882-0192延岡市北方町川水流卯682番地、0982-47-2218、電子メールtiiki-kitakata@city.nobeoka.miyazaki.jp)。

構想案の概要版