▲プール外観、内観、放送局
宮崎県は6月9日、県プール整備運営事業の事業者を鹿島建設グループに決定したと発表した。PFI法に基づく特定事業として、宮崎市錦本町の県有グラウンドに整備するプール施設の設計・建設・運営及び維持管理を行うほか、民間収益施設として、敷地内の余剰地に放送局や大学・オフィシャルセンター、メディカル・飲食モールを整備する。
本県開催の国民スポーツ大会及び全国障害者スポーツ大会をはじめ、大規模な公式大会が開催可能な屋内プール施設を整備する。施設は、50mプール、25mプール、トレーニング室、多目的スタジオ、クライミング施設、関連諸室、駐車場等で構成。仮設を含む観客席数は2500席以上で、延床面積は1万3000m2以上を見込む。
事業ではこのほか、敷地内の余剰地を活用した民間収益施設を一体的に整備する提案を求めた。民間収益事業者は、県と事業用定期借地権設定契約を締結し、民間収益事業敷地において独立採算事業として民間収益施設を整備し、その運営・維持管理を行う。借地期間は20年以上50年未満の間で、事業予定者が提案した期間とする。
事業者の選定は総合評価一般競争入札で実施。複数の事業者で構成するグループを対象に、昨年11月9日付で入札公告を行った「県プール整備運営事業」に関して、2グループから入札書類の提出があった。審査委員会で各グループの提案内容を審査した上で最優秀提案者を選定し、その選定結果を踏まえ、県が事業者を決定した。
鹿島建設グループの提案によると、プール施設の構造は鉄筋コンクリート造一部鉄筋鉄骨コンクリート造一部鉄骨造、階数は地上2階、延床面積は1万3436m2。施設概要として、50mプールや25mプール、トレーニング室、多目的スタジオ、その他関連諸室、クライミングウォール、駐車場などを挙げる。
事業期間は、設計・建設が事業契約締結日から2024年12月まで、開業準備が25年1月から3月まで、運営・維持管理が25年4月から40年3月まで。施設の設計・建設から運営・維持管理までを含む落札価格は155億9440万8800円(税込)。
これとは別に、敷地内の余剰地を活用した民間収益施設に関しては、①放送局(事業者=株式会社エムアールティ・ミック)②大学・オフィシャルセンター(同=米良電機産業株式会社)③メディカル・飲食モール(同=大和リース株式会社)―の3施設を提案した。プール施設と一体的に整備することで、まちづくりの視点から相乗効果を期待する。
鹿島建設グループの構成企業は次のとおり。
▽代表企業=鹿島建設株式会社九州支店(建設・プロジェクトマネジメント)
▽構成員=大和開発株式会社(建設)、株式会社九南(建設)、日本管財株式会社鹿児島営業所(運営・維持管理)、シンコースポーツ九州株式会社(運営)、米良電機産業株式会社(プロジェクトマネジメント)
▽協力企業=株式会社マスジュウ(建設)、株式会社梓設計九州支社(設計・工事監理)、株式会社岩切設計(設計・工事監理)、株式会社那須設計(設計・工事監理)、株式会社文化コーポレーション(維持管理)。
=イメージ図はいずれも宮崎県提供=