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強靱化推進など国に要望、コロナ対策支援拡充も 宮崎県

 宮崎県は、国の2022年度施策及び予算に対する提案・要望事項をまとめた。新型コロナウイルス感染症への対応や地域及び産業を支える人財の育成・確保、魅力的で持続可能な地域づくり、防災・減災対策と国土強靱化への対応などを求める。新型コロナウイルスの影響を踏まえ、前年同様、東京事務所を通じて、関係省庁へ要望書を配布する。

 22年度の提案・要望事項は28項目。「地方一般財源総額の安定的な確保・充実」を総論と位置付け、①コロナ危機の克服と新たな成長の基盤づくり②将来を支える人財づくり③地域経済をけん引する産業づくり④魅力あふれる「選ばれる」地域づくり⑤防災・減災対策と国土強靱化への対応―の5つの柱に基づき、提案・要望事項を整理した。

 総論では、地方一般財源総額実質同水準ルールを堅持し、安定的な財政運営に必要な総額を確実に確保・充実するとともに、公共施設等適正管理推進事業債の期限延長や対象拡充など、老朽化対策等に係る地方財政措置の維持・拡充を図ること、地方交付税の算定にあたり条件不利地域への配慮など地方の実情を十分に踏まえることを求める。

 コロナ対策関連では、地方創生臨時交付金や緊急包括支援交付金について必要な額を確保するとともに、リーマンショック時と同等以上の基金等を活用した緊急雇用経済対策事業を創設するなど、積極的な経済・雇用対策を講じることを求める。

 また、本県をはじめ医療資源の脆弱な地域に於いて、検査・医療提供体制の維持・充実に必要な財源等の支援を行うとともに、ワクチンの早期かつ安定的な供給体制の確立を図り、円滑な接種に必要な財政措置を講じることなども求める。

 将来を支える人財づくりでは、産業人財の育成及び定着に向けた財政支援や、都市部の若者の地方就職を後押しする制度の創設、IT人材の育成・確保に活用できる新たな交付金の創設を要望。農業・漁業の担い手の確保・育成や地域医療を守る医師・看護師の養成・定着、少子化対策の充実・強化のための支援も求める。

 地域経済をけん引する産業づくりでは、地域経済を支える中小及び小規模事業者への支援体制の強化として、地方創生推進交付金の拡充や人員拡充などに対する財政支援を要望。ゼロカーボン社会の実現に向けて、住宅・建築物の省エネ化、再エネ導入のインセンティブとなる補助制度や優遇税制の拡充を検討することを求める。

 また、森林整備や基盤整備、林業・木材産業の競争力強化を図るために必要な予算を十分に確保し、再造林に積極的な自治体に重点配分するほか、林業イノベーションを加速させ、効率化・省力化技術の早期実用化を図ること、中大規模木造建築の設計・施工分野の人材育成や需要サイドとのネットワーク構築などを要望する。

 このほか、「産地生産基盤パワーアップ事業」「強い農業・担い手づくり総合支援交付金」「畜産クラスター事業」「水産業競争力強化緊急事業」の継続及び十分な予算額を確保するとともに、農業の競争力強化と国土強靱化対策を推進する農業農村整備事業が計画的に実施できる当初予算を十分に確保することも求める。

 魅力あふれる地域づくりでは、スポーツランドみやざきの推進に向けて、都市公園整備に必要な予算総額の確保と重点配分を求めるほか、国民スポーツ大会会場に決定した都市公園施設の老朽化対策を優先的に実施できる支援事業の創設、本県への屋外型ナショナルトレーニングセンターの整備について検討することを求める。

 防災・減災対策と国土強靱化への対応では、5か年加速化対策を着実に推進するため、当初予算に別枠で十分な規模を安定的・継続的に確保するとともに、社会基盤整備が遅れている地方の対策に必要な予算総額の確保と重点配分、緊急防災・減災事業債や緊急自然災害防止対策事業債の恒久化などを要望する。

 また、生産性向上や地域活性化につながる東九州自動車道や九州中央自動車道、都城志布志道路の早期整備、高速道路の暫定二車線区間の早期四車線化を求めるとともに、国道10号住吉道路や国道503号飯干バイパスの早期事業化、道路施設の予防保全を含めた老朽化対策の推進、港湾整備の推進に必要な予算確保を要望する。

 今後30年以内に高い確率で発生が想定される南海トラフ地震・津波対策として、緊急防災・減災事業債の恒久化や制度拡充に必要となる財政措置、河川・海岸施設等の整備に係る十分な予算確保、海底地震・津波観測網(N-net)整備の予算確保と早期整備及び段階的な運用開始の手法の検討を行うことを求める。

みやざきの提案・要望