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宮崎市新庁舎「駅周辺が望ましい」 市民検討会が意見書

          

▲写真は意見書提出の模様

 宮崎市庁舎のあり方に関する市民検討会(國武久登委員長)は、新庁舎の建設エリアに関する意見書をまとめ、5月18日に戸敷正市長に提出した。意見書では、検討会が望ましいと考える新庁舎の建設エリアを「宮崎駅周辺」とした一方、建設エリアと合わせて、庁舎の機能整理や現庁舎の跡地利活用等について検討を行うよう、付帯意見を添えた。

 防災拠点としての機能確保など、現庁舎が抱える様々な課題を踏まえ、市は「推定耐用年数(2028年)までは現庁舎を活用し、その間、財源確保に努め、庁舎のあり方を検討する」との方針を決定。19年3月には、学識者や関係団体、市民らで組織する懇話会が、庁舎の整備方法について「建て替えが望ましい」とする報告書を市に提出した。

 昨年度に設置した市民検討会では、庁舎を建て替えるエリアについて、現在地を含む橘通り周辺、宮崎駅周辺、中村町周辺、南宮崎駅周辺の4箇所について比較検討を実施。防災上の拠点性や中心市街地の経済性・賑わいの確保、公共交通機関の利便性などの観点から、意見書では新庁舎の建設エリアとして「宮崎駅周辺が望ましい」とした。

 一方で、市役所が現在地から移転した場合の宮崎駅周辺の交通渋滞や、現エリアの賑わいの喪失などを懸念する意見が委員から寄せられたことから、意見書には①中心市街地の活性化②本庁舎の機能整理③建設コストの削減④宮崎駅周辺の交通対策・駐車場の確保⑤現庁舎の跡地の利活用―についても検討を進めるよう、付帯意見を追記した。

 本庁舎の機能整理に関しては、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展で市役所の機能が大きく変わることを念頭に、施設のあり方を整理することや、市民が集い、文化・交流などを楽しむことができるよう、検討を進めることなどを求めた。各総合支所等についても、権限や掌握事務のあり方、施設整備について検討するよう求めた。

 また、現庁舎の跡地の利活用に関しては、市民にとって愛着があり、なじみのある現地を観光や景観、文化・市民活動等の拠点として活用し、宮崎駅周辺から現地までの中心市街地を面として捉え、新庁舎と現地の両拠点が連携して面的な活性化を図り、宮崎市全体の発展につながるまちづくりの検討を進めていくよう求めた。

 市民検討会の意見書を受けて、戸敷市長は「将来の市民のニーズに沿った庁舎であることが重要」であり、「将来を見据えた市のシンボルとして、また、防災拠点としての新庁舎の整備に向けて、基本構想の中で方向付けをしていきたい」と述べた。

 市は今後、市民検討会から提出された意見書や、庁内に設置している検討委員会の協議内容を踏まえ、6月上旬までに市としての建設エリアを決定する。21~22年度に新庁舎建設に係る基本構想の策定作業を進めるとともに、構想の策定状況を踏まえつつ、22年4月までに具体的な建設場所を決定・公表する予定でいる。