えびの市は、国土強靱化基本計画に基づく「国土強靭化地域計画」を策定し、ホームページで公開した。国の基本計画や宮崎県国土強靭化地域計画と調和を図りつつ、市の地勢・環境・規模等に即したものとして、災害から市民の生命と財産の守り、迅速に復旧・復興が可能となるよう「強さ」と「しなやかさ」を持ったえびの市を目指す。
計画では、最大限の人命保護や市及び社会の重要な機能の維持、市民の財産及び公共施設の被害の最小化、迅速な復旧復興を基本目標に掲げ、事前に備えるべき8つの目標を設定。目標の妨げとなる「起きてはならない最悪の事態」(リスクシナリオ)やシナリオごとの脆弱性評価を踏まえ、分野ごとに課題や対策などを整理した。
行政機能・消防・防災教育分野では、防災拠点となる庁舎の耐震化や庁舎が被災した場合の代替拠点の確保、常備消防の体制強化、自主防災組織の活性化などを推進。住宅・都市分野では、市民に対する住宅耐震化の啓発や防災上必要な施設の耐震化、上水道基幹管路の更新、仮設住宅となる用地の確保などを推進する。
保健医療・福祉分野では、西諸医師会や災害拠点病院との連携強化や社会福祉施設に於けるBCPの策定、災害に強い合併浄化槽への転換促進を図る。物資・エネルギー・情報通信分野では、民間事業者等との物資調達・供給確保のための協定締結や住民拠点SSの整備、多様な伝達手段による情報の確実かつ迅速な伝達等を行う。
産業分野では、復興に重要な役割を担う建設業の担い手確保・育成の観点から、就業環境の改善を図る。交通・物流分野では、災害発生直後の迅速な道路啓開や応急復旧等のため、関係機関と協定を締結するとともに、協定に基づく訓練を実施。これらの応援協力体制を継続的に確保し、業務を担う地域建設業者の育成・確保に努める。
農林水産分野では、森林整備を通じて森林機能の維持・向上を図るとともに、農地や森林の多面的機能の低下を防ぐため、ソフト・ハード両面にわたる総合的な対策を推進する。環境分野では、災害廃棄物の発生に備え、発生量の推計に合わせてストックヤード等を決めておくほか、一般廃棄物処理業者等との協定締結を進める。
国土保全分野では、河川改修や河道の掘削・築堤、砂防ダム等による土砂災害対策、治山施設整備による山腹崩壊対策、主要道路の改修、橋梁等の修繕、樋門・樋管や管渠等の排水施設の整備を推進し、災害に強いまちづくりを推進する。ソフト対策として、各種ハザードマップの策定と周知などに取り組む。