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新庁舎「駅周辺が望ましい」、意見書のたたき台 宮崎市

 宮崎市は4月28日、「宮崎市庁舎のあり方に関する市民検討会」(國武久登委員長=宮崎大学副学長)の第5回会合を開催し、新庁舎の建設エリアに関する意見書のたたき台を提示した。これまでの検討会での意見を踏まえ、望ましいと考える建設エリアを「宮崎駅周辺」としたほか、付帯意見として現庁舎の跡地利活用などを添えた。

 防災拠点としての耐震性や洪水による浸水の可能性、課の分散化や諸室の狭隘化など、現庁舎が抱える様々な課題を踏まえ、市は2017年に「推定耐用年数である2028年までは維持管理を行いながら現庁舎を活用し、その間、基金等の財源確保に努め、建て替えを含めた庁舎のあり方を更に検討する」との方針を決定している。

 19年3月には、学識者や関係機関・団体、公募市民らで組織する当時の懇話会が、庁舎の整備方法について「建て替えが望ましい」とする報告書を市に提出。市民検討会では、庁舎を建て替えるエリアについて、現在地を含む橘通り周辺、宮崎駅周辺、中村町周辺、南宮崎駅周辺の4箇所について意見を交わしている。

 これまでに4回開催した検討会での意見を踏まえ、市が提示した新庁舎の建設エリアに関する意見書のたたき台では、防災拠点施設としての役割や中心市街地の活性化、市全体の公共交通機関の利便性の向上といった観点から、市民検討会として望ましいと考えられる新庁舎の建設エリアを「宮崎駅周辺」と明記した。

 その一方で、市役所が移転した場合の駅周辺の交通渋滞や、現エリアの賑わいの喪失を懸念する意見が寄せられたことから、意見書には付帯意見を追記。宮崎駅から現在地までの中心市街地を面として捉え、回遊性の向上に向けた検討を進めるとともに、市民にとって愛着がある現庁舎の跡地の利活用を検討するよう求めた。

 付帯意見ではこのほか、高齢化やDX(デジタルトランスフォーメーション)の進展を踏まえ、全ての市民が利用しやすい市役所となるよう、その在り方を整理していくことや、総合支所・地域センター・地域事務所等の在り方についても検討すること、庁舎建設コストの削減や駅周辺の交通対策・駐車場の確保も検討するよう求めた。

 今後は、5月中旬に開催する最終会合で検討会としての意見書をまとめ、5月下旬までに戸敷市長に意見書を提出する。意見書の内容を踏まえ、市は5月下旬~6月上旬に建設エリアを決定。来年3月に具体的な建設場所を決定・公表する予定でいる。