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21~22年度に事業者公募・選定 東京ビル再整備基本計画

 宮崎県は、東京都千代田区に立地する宮崎県東京ビル再整備事業の基本計画をまとめ、ホームページで公開した。フロンティアオフィスや情報発信スペース、学生寮、職員宿舎といった必要機能のほか、土地の高度利用化を図るために民間施設を合築し、建替後の規模を最大で地下1階地上12階建、延床面積7170m2とするイメージを盛り込んだ。

 東京都千代田区に立地する東京ビルは、本県出身学生のための学生寮や職員宿舎・職員寮、中小企業向けのフロンティアオフィス等の機能を有し、首都圏に於ける施策推進のための重要な戦略拠点としての役割を担っているが、経年に伴う維持管理費の増加やさらなる土地の高度利用化、有効活用に向けた検討といった課題を抱えている。

 これらの課題を踏まえ、財政負担の軽減や将来にわたる資産価値の維持、県政発展につながる利活用の可能性の観点から、東京ビルの今後の方向性について検討を行い、建築可能容積を最大限に活用して建て替えを行う方針を決めた。余剰容積に民間施設を導入して資産を活用することにより、財政負担の軽減と機能の維持及び向上を図る。

 事業の実施にあたっては、①県のさらなる発展への寄与②災害時のネットワーク拠点③土地の有効活用・財政貢献―を基本方針に掲げ、大地震にも耐えうる安全性や耐久性の確保、セキュリティの強化、ライフサイクルコストの低減、ユニバーサルデザインの採用、維持管理のしやすさ、環境負荷の低減を整備方針とする。

 建て替え後の施設規模に関しては、建築基準法で定める現敷地の容積率を最大限に活用し、階数を地下1階地上12階、延床面積を7170m2とするイメージを示した。

 このうち、導入を予定する県施設の面積は4337m2。1階にフロンティアオフィスや会議室、情報発信スペース等を配置し、職員宿舎として3フロア(居室40戸、供用倉庫、業務用倉庫)、学生寮として男女計2フロア(居室50室以上、各階に洗濯室と自炊室、寮監室及び居住スペース)を使用することを想定する。

 地階には県施設として設備室を配置するとともに、地下駐車場を含む7フロアを民間施設として活用することを想定。民間施設の機能については、県施設との合築となることを勘案し、再整備を行う事業者の公募で提案を求める。

 事業手法に関しては、民間の創意工夫が発揮され、県のコスト削減が最も見込まれる「定期借地権方式(県施設所有)」で進める。整備スケジュール案では、2021~22年度に事業者の公募・選定を実施。23年度に既存ビルの解体工事などを行う。これと並行して22~23年度に新東京ビルの基本・実施設計、24~25年度に工事を行う。

■事業者選定へアドバイザリー業務

 東京ビル再整備事業に係る民間事業者の公募・選定に向けて、宮崎県は公共施設等の整備に係る知識や財務・法務・建築等の専門的な知見を有する事業者に、助言や資料作成等の支援業務を委託する。業務委託に係る予算総額として3421万円を見込み、21年度予算案にこのうち2145万円を計上する。

 当該業務では、公募の準備から契約締結までの各手続きにおける助言、事業者からの意見・質問対応、提案内容の整理・事業性等評価、審査委員会等における説明資料の作成、契約締結に係る交渉支援等を行う。

 専門的な知見を有する事業者の助言等を踏まえ、提案内容の審査や計画交渉等を進めることで、県の財政負担の軽減や東京ビルの機能の維持・向上、事業の安定性を確保する観点から、最適と思われる整備内容を実現する。