宮崎県と県内4市、県内2金融機関で運営する宮崎県・地域PPPプラットフォームは、1月26日に2020年度のセミナーを開催した。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、セミナーは完全WEB方式で開催。PPP/PFIの地域企業参画に向けた取り組みのポイントや、PFI方式を活用または活用予定の事業を紹介した。
宮崎県・地域PPPプラットフォームは、県内のPPP/PFI事業を推進するために、情報共有や手法活用に関する意見交換の場として設置しているもの。宮崎県・宮崎市・都城市・延岡市・日向市・宮崎銀行・宮崎太陽銀行で運営する。
約80人が参加したセミナーの第1部では、内閣府PPP/PFI専門家の小林章三氏が「地域密着型PPP/PFI」をテーマに講演。小林氏は、最近のPFI事業の傾向として、より一層、民間企業の創意工夫を積極活用する方向にシフトしており、地域特性を十分に踏まえた事業の構築などが必要であることを説明した。
地域企業に対しては、地元力の発揮やノウハウ・競争力のある企業との連携等が必要であることを説明。発注者は、長期にわたる公共サービスの安定的な提供を重視しており、大規模建築物等の分野では「大手と独自のノウハウを有する企業との協働」、地域企業で対応可能な分野では「インセンティブの発揮」が重要であることを説いた。
一方で、PFI事業の実務に関しては、事業への参画検討開始から事業者決定までの各ステップで取り組むべき事項を整理。勝てるチームづくり(コンソーシアム組成)、役割分担の明確化、事業収支の検討(資金調達・目標入札額)、提案戦略の検討(コンセプトワーク)、事業費と提案内容の調整のポイントなどを解説した。
セミナーの第1部ではこのほか、宮崎市が「市営住宅新町・追手団地PFI方式建替事業」の概要などを説明。第2部では、小林市の「北きりしまコスモドームの観光施設としての活用方法」、三股町の「交流拠点施設整備事業」について、それぞれ意見を交わした。セミナーの説明資料は、宮崎県のホームページで確認できる。