三股町は、町区域における国土利用の基本的な事項を定めた「第5次国土利用計画ー三股町計画ー」の素案を策定した。計画期間は2021~30年度の12年間。自然環境の保全・活用や農業的土地利用と都市的土地利用との調和と共生を基本とし、コンパクトなまちづくりを継承しつつ、限られた町土の有効活用と質的向上を図る。
素案では、本格的な少子高齢化・人口減少時代の到来や地方分権と広域的行政の推進といった基本的条件の変化を踏まえ、町土利用における現状と課題を整理。利用区分別の町土利用の方向を定めるとともに、「中央地域」「樺山・宮村地域」「梶山・長田地域」「勝岡・蓼池地域」の4区域に分けて、土地利用の基本的な方向を定めた。
中央地域は、隣接する都城市と一体的な市街地形成が進み、生活利便性も高いことから、用途地域の見直しや立地適正化計画に基づく居住誘導区域の設定等により、秩序ある土地利用誘導に努める。公共用地をはじめとする町有財産の利活用に努めるとともに、特に町営五本松団地の跡地活用では、交流拠点施設整備事業を推進する。
町南部に位置する樺山・宮村地域では、計画的な土地利用誘導により、農用地と宅地の混在がもたらす様々な課題の解消を図り、居住環境や農業基盤の整備等に努める。町東部に位置する梶山・長田地域は、その大部分が森林であり、森林環境の維持・保全に留意しつつ、森林の持つ公益的機能を維持・増進させる土地利用を進める。
一方、広域的な道路アクセス性に優れた町北部に位置する勝岡・蓼池地域では、東部で農用地の生産性を高めるための土地基盤整備を進めるとともに、優良農用地の保全を図る。居住系及び工業系の用途地域が指定されている西部では、生活環境や自然環境との調和を保ちつつ、工場などの企業誘致の推進を図る。
これらの施策を実現するため、公共の福祉を優先させながら、適正な利用が図られるよう、各種の規制措置、誘導措置等を通じた総合的な取り組みを進める。また、国土利用計画法等の適切な運用や安全な土地利用に努めるとともに、土地利用の転換を図る際には、自然や景観に与える影響に留意し、社会的条件等を踏まえて適正に行う。