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山下工区など3事業の継続了承 宮崎県公共事業評価委員会

 宮崎県公共事業評価委員会(谷口義信委員長=宮崎大学名誉教授)の2020年度第3回会合が2月18日に開かれた。会合では、事業中の広域河川改修事業「一級河川小丸川水系宮田川」と、社会資本整備総合交付金事業「一般県道北方南郷線秋山工区」、同じく「一般県道学園木花台本郷北方線山下工区」を継続することを委員が了承した。

 公共事業評価は、一定規模以上の事業の必要性と効果を客観的に評価することで、効率的・効果的な社会資本の整備を実現するために実施するもの。事業着手前に重要度や投資効果等を評価する事前評価、着手から一定年数経過時点で進捗状況や効果等を把握する再評価、事業完了後に効果や影響等を確認する事後評価に分かれる。

 18日に開かれた会議では、県土整備部が所管する河川事業の「一級河川小丸川水系宮田川」(高鍋町)、同じく道路事業の「北方南郷線秋山工区」(串間市)、同じく道路事業の「学園木花台本郷北方線山下工区」(宮崎市)の再評価を実施。事業の目的や整備概要、進捗状況、目標完成年度などを県の担当者が説明した。

 一級河川小丸川水系宮田川では、流下能力の低い区間があり、1993年に浸水家屋数50戸、浸水面積54㌶の浸水被害が発生したため、下流の光音寺橋から太平寺橋下流までの2.3㎞区間において、96年から河道拡幅や堤防設置、樋門・樋管の整備、橋梁架け替えといった河川改修に着手している。

 全体事業費は19億1500万円で、20年度末時点の進捗率は、事業費ベースで75.8%、用地ベースで85.9%。光音寺橋から鐘塚橋下流までの1.1㎞区間は、河道掘削や護岸整備、橋梁架け替え等で一定の整備効果が発現している。残る浸水エリアの解消を図るため、25年度の事業完了を目標に、引き続き未改修区間の整備を推進する。

 北方南郷線は、串間市内の国道220号から日南市南郷町に至る路線。地域の生活を支える路線であると同時に、災害時の代替ネットワークとしての役割を担う。このうち秋山工区は、幅員が約4m程度と狭く、大型車両の離合が困難な状況にあるため、幅員狭小区間を解消し、交通の安全を確保するため、路線の早期整備を行う。

 全体延長は約1.6㎞で、15年度までに約0.8㎞を供用済。当初5億円としていた全体事業費は、地質調査の結果、軟弱地盤対策が必要となったため、9億3000万円に見直した。20年度末時点の進捗率は、事業費ベースで90.3%、用地ベースで100.0%。21年度の事業完了を目指し、残区間の整備を進める。

 学園木花台本郷北方線は、宮崎学園都市の中心部を起点とし、国道220号南バイパスとを結ぶ延長約4.5㎞の路線。このうち、清武川を跨ぐ山下工区が唯一の未整備区間となっている。当該工区を整備することで、市内中心部へのアクセス強化や防災力の向上、都市近郊における円滑な移動の支援、交通拠点へのアクセス性の向上を図る。

 全体延長は約1.1㎞で、15年度から用地測量や函渠設計、物件調査、用地買収を進めている。工区内には(仮称)山下橋(L=390m)の整備を計画。当初計画で40億円としていた全体事業費は、推定岩盤線の位置変更に伴う橋梁基礎杭の延伸や、道路橋示方書の改定による橋梁基礎構造の変更、盛土費用の増加に伴い、60億円に見直す。

 20年度末時点の進捗率は、見直し後の事業費ベースで7.4%、用地ベースで96.0%となる。橋梁基礎構造の変更による施工手間の増加や、埋蔵文化財の調査及び用地の相続関係で用地取得に時間を要したため、当初計画で23年度としていた完了予定年度を29年度に延長する。

 会合では、県土整備部が所管する道路事業「一般国道388号日平工区」の事後評価を実施。このほか、同じく県土整備部が所管する道路事業「一般国道448号夫婦浦バイパス」、街路事業「仲町広原線上大迫工区」、公共県営住宅建設事業「県営花ヶ島団地」の3件について、同部が実施した事後評価の結果を委員に報告した。