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町村と災害廃棄物等の処理等支援協定 資源循環協会ら

▲写真は合同調印式の模様

 災害時に発生する廃棄物等の適正かつ迅速な処理を支援するため、一般社団法人宮崎県産業資源循環協会(田村努会長)及び宮崎県環境保全事業連合会(石川武則会長)は、県内の町村と災害時の支援協定をそれぞれ締結した。2月17日に宮崎市内で合同調印式を行い、各町村の首町と両団体の代表が署名した協定書を取り交わした。

 合同調印式に出席したのは、▽国富町▽綾町▽高鍋町▽新富町▽西米良村▽木城町▽川南町▽都農町▽門川町▽諸塚町▽椎葉村▽美郷町▽高千穂町▽日之影町▽五ヶ瀬町―の15町村。このうち都農町は、副町長による代理出席であったため、後日、町長の署名を以て正式に協定を締結する。

 宮崎県産業資源循環協会は、既に協定締結済みの新富町を除く14町村と「災害時における廃棄物の処理等に関する協定」を締結。災害で発生する廃棄物の撤去や収集運搬、処分等を支援する。協会では、2009年1月に宮崎県と災害協定を締結し、16年度以降、延岡市や宮崎市、日向市、三股町など6市3町と同様の協定を結んでいる。

 一方、宮崎県環境保全事業連合会は、出席した15町村と「災害時におけるし尿等の収集運搬等に関する協定」を締結。し尿等の収集運搬に必要な車両の提供や人員の確保、資機材の提供、仮設トイレ設置に関する技術的支援、処理施設への運搬等を行う。

 調印式で挨拶した宮崎県町村会の黒木定藏会長(西米良村長)は、災害時に大量の廃棄物等が発生し、その処理のための対策に自治体が苦慮していることを説明。豊富な経験や知見を有する両団体との協定締結で、迅速な廃棄物等の処理が可能になることを踏まえ、「住民の期待に応えることができる基盤をつくれたことを嬉しく思う」と述べた。

 これに対して田村会長は、各地で頻発する自然災害や南海トラフ巨大地震への対応が急務であることを踏まえつつ、今回で県内の全町村と協定を締結し、残る数市とも協定を締結する考えを示し、「自治体の担当職員と会員が顔の見える関係を築き、災害から早期に回復できる体制の整備に向けて、互いに協力していきたい」と述べた。

 石川会長は、「複数の町村と合同で協定を締結することができて嬉しく思う。各町村の住民の方々にとって、災害に備えるための一つの準備ができた」と挨拶。各町村と連合会、協会が密に連携しながら、有事の際に迅速に対応できる準備を整えておく必要性を訴え、「災害時には住民の方々に日頃の恩返しがしたい」と思いを述べた。