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発生抑制・適正管理など推進 木城町空家等対策計画案

 木城町は、多面的・総合的な空き家対策を推進する上での指針と位置付ける「空家等対策計画」の素案をまとめた。計画期間は2022~26年度の5年間。町内全域を対象に、空き家対策に関する基本的な考え方や所有者等による空き家の適切な管理の促進、空き家等対策の支援、特定空家等への措置に関する事項を定める。

 昨年度に町内の約2000戸を対象に行った空き家現地調査では、空き家と判断した建物が95戸あり、このうち屋根の著しい変形など損傷が激しいものが3戸、建物の倒壊の恐れや建築材の飛散の危険性があるものが6戸あった。地域別では、高城地域が37戸で最も多く、椎木地域の25戸、石河内地域の20戸が続く。

 素案では、町の人口推計や空き家現地調査、空き家所有者に対するアンケート調査の結果等を踏まえ、町の空き家をめぐる状況や課題を整理。これを踏まえ、空き家の発生抑制と適正管理、空き家の利活用及び跡地利用の促進、補助金制度の活用促進、管理不全の空き家等を削減する取り組みを空き家対策の基本方針と位置付けた。

 具体的には、空き家となる前の段階での啓発や所有者等自身による空き家管理の重要性の啓発、空き家に関するデータベースの整備、木城町「空き家バンク」制度の運用、国や県が運用する専用サイトへの参画、安心R住宅制度の紹介に努めるとともに、空き家等を活用した新たな住宅セーフティネット制度の適用を検討する。

 また、空き家等の除却によって生じたスペースを、地域の防災性向上や地域活性化に資するスペースとして活用することも検討。利活用が可能な空き家等については、市場での売却や賃貸等の流通だけでなく、地域のコミュニティ拠点としての活用や、政策課題の解決に資する施設としての活用を視野に、多様な利活用を検討する。

 素案ではこのほか、既存住宅の改善・向上や解体、住宅取得に係る公的補助制度、空き家等に対する相談窓口などを紹介。地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしている「特定空家等」と認められる建築物に対して、助言・指導や勧告、命令を行い、これに従わない場合は行政代執行等の措置を講じることも示した。

 素案はホームページや役場町民課で公開し、町内在住者等を対象に22年1月10日まで、持参・郵送・FAX・電子メールで意見を受け付ける。提出された意見は、個人情報を除き、町の考え方を付してホームページで公表する予定。

木城町空家等対策計画案