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県内企業発注率は工事79%、業務81% 宮崎県

 宮崎県は、公共工事等を対象とした2020年度の県内企業への発注状況をまとめた。綾第二発電所大規模改修工事や新県立宮崎病院建設工事が県外発注となったことから、建設工事の県内発注率は金額ベースで前年比14.6ポイント減の79.1%となったが、件数ベースでは前年と概ね同水準の95.9%となった。

 14年2月に策定した「県内企業優先発注及び県産品の優先使用等に係る実施方針」に基づき、▽公共工事関係▽情報システム調達関係▽物品等調達関係▽工事関連・情報関連を除く業務委託▽物品・情報関連を除く使用賃借(リース等)―の5分野について、県内企業への発注率を金額ベース・件数ベースで整理した。

 公共工事関係の調査結果によると、建設工事の県内企業への発注金額は810億8000万円、件数は3015件。前年と比べて、金額は約150億円、件数は300件、それぞれ増えた。県内企業への発注率は、金額ベースで79.1%(同14.6ポイント減)、件数ベースで95.9%(同0.2ポイント減)となった。

 県内企業への発注率が金額ベースで大幅に減少した要因として、綾第二発電所大規模改修工事(約104億円)や新県立宮崎病院建設工事(約75億円)が県外発注となったことなどを挙げる。県内に支店・営業所等が所在する県外企業までを含めた発注率は、金額ベースで87.9%、件数ベースで97.6%まで上昇する。

 また、建設関連業務の県内企業への発注金額は97億1700万円、件数は1949件。前年と比べて、金額は約20億円、件数は243件、それぞれ増えた。県内企業への発注率は、金額ベースで81.6%(同1.3ポイント増)、件数ベースで89.4%(同0.8ポイント減)となり、いずれも前年度と同水準で推移した。

 一方、県の要綱に基づく下請負人や資材調達に関する調査では、県内企業を下請負人として活用した工事の割合は62.2%(同14.1ポイント減)、県内企業からの建設資材の調達が65.6%(同24.5ポイント減)で、いずれも大幅に減少した。防災庁舎建設工事における県外業者への下請発注や資材調達が影響したとみている。

 県では、建設工事の総合評価落札方式の評価項目に「地産地消への取組」を設定するなど、県内企業への優先発注に努めるとともに、設計業務の特記仕様書に「地産地消に資する工法検討の義務付け」や「県産品を使用した設計を原則とすること」を記載するなど、設計段階から地産地消を推進する取り組みを進めている。

 このほか、公共工事関係以外の県内企業への発注率は、情報システム調達関係が15.0%(同0.4ポイント増)、物品等調達関係が25.0%(同9.0ポイント増)、工事・情報関連以外の業務委託が72.9%(3.7ポイント減)、物品・情報関連以外の使用賃借(リース等)が52.5%(同11.4ポイント増)だった。