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県産材の更なる利用促進へ取組 みやざき木づかい県民会議

      

▲写真は挨拶する河野部長、感謝状の受賞者、総会の模様

 本県林業及び木材産業の活性化や県産材の利用促進に取り組む「みやざき木づかい県民会議」(河野俊嗣会長=宮崎県知事)は、10月26日に宮崎市内で2021年度の総会を開催した。県産材の利用や普及啓発に功績のあった7団体に感謝状を贈ったほか、昨年度に行われたみやざき木造塾のグループワークの取組成果を報告した。

 みやざき木づかい県民会議は、木材の良さや利用に対する県民の理解を深めるとともに、県産材の地産地消の取り組みを官民一体で進めるため、国や県、市町村、関係団体、企業等で組織。建設関連団体では、宮崎県建設業協会や宮崎県建築協会、宮崎県建築業協会、宮崎県建築士会、宮崎県建築士事務所協会らが参加している。

 河野会長の代理で挨拶した宮崎県環境森林部の河野讓二部長は、「切って、使って、すぐ植える」という資源循環型林業を推進することが、2050年ゼロカーボン社会の実現やSDGsの達成にも貢献することになると説明。「県木材利用促進条例や改正木材利用促進法を追い風に、木材の一層の利用拡大に取り組みたい」と述べた。

 感謝状贈呈式では、県産材利用に顕著な功績があった▽宮崎キネマ館▽尾鈴山蒸留所新貯蔵庫▽宮崎県木材会館▽みやざき林業大学校研修生宿舎▽美郷町立西郷図書館―の5施設(4団体)、県産材の普及・啓発に貢献した有限会社丸満産業、社会福祉法人森と風の郷四季の森こども園、皇子原公園神武の館の3団体に感謝状を贈った。

 事例発表では、宮崎キネマ館の設計業務を担当したゆうぼく人の川添英司氏が、施工中の写真を示しながら施設の特徴を紹介。鉄骨造の既存施設に内装木質化リフォームを行い、木造軸組造部分を組み合わせた構成としたこと、新館では105㎜角のスギ材を並べて階段状の床を構成し、意匠性と遮音性を両立させたことを説明した。

 一方、非住宅の木造設計スキルを有する技術者を養成する「みやざき木造塾」の成果報告では、宮崎県建築士事務所協会の岡﨑誠二氏が、昨年度の木造塾で行った中大規模木造構造物の試設計の概要、受講者の声を紹介。あわせて、建築物の木造化・木質化をアドバイスする「みやざき木造マイスター」のサポート内容を説明した。

 総会ではこのほか、県産材の良さを多くの人に知ってもらう「みやざきWOOD・LOVEキャンペーン」の取組内容について報告があった。